現在、国内において販売されているスポーツカーは、

日産「R35GT-R」「フェアレディZ Z34」などの3.0L超の大型スポーツカー、
国産スーパーカーとされるホンダ「NSX」。

トヨタだとレクサスRCシリーズの高級スポーツカーなど、国産スポーツカーは車種が少ないものの高価だと感じてしまい、手軽に楽しむスポーツカーも少ないのが現状です。

そんな中、比較的に手軽に楽しむことができるスポーツカーが2012年4月に誕生した「トヨタ86」です。

トヨタ86

昔、大人気だった「AE86」は2ドアクーペと3ドアハッチバックの2タイプが存在しましたが、

ae86

トヨタ86は純粋な2ドアクーペのみ。

現在のトヨタ86は現代スポーツカーでありながら2.0LのFRライトウェイトスポーツカーとなって復活したのです。

そんなトヨタ86には、兄弟がいます。

AE86は「カローラレビン」と「スプリンタートレノ」の兄弟でしたが、現在のトヨタ86の兄弟はスバル「BRZ」と、なんと他メーカーに兄弟がいるというのも面白い話です。

スバルBRZ

今回は、トヨタ86のチューニングとおすすめパーツについてご紹介していきます。





トヨタ86をチューニングする前に知っておきたいこと

どんなスポーツカーでも同じことが言えますが、車をチューニングする前にまず知っておかなければならないことがあります。

本当の意味でチューニングをするのであれば、まずはその車のノーマル状態での特性や挙動を知っておかなくてはなりません。

特性や挙動を知らないままに莫大なお金をかけてチューニングしても、車を意のままに操れず、事故につながってしまう恐れがあるからです。

チューニングする前にノーマルのままで乗り込んで、自分自身と自身の目的にあったチューニングをすることをおすすめします。

トヨタ86チューニングで最初にやるべきチューニング

チューニングというとどうしてもエアクリーナーやマフラー、エアロパーツなど見た目から入ってしまうというのが世の常。

なぜかというと、
自分の車を周囲に「かっこいい!」と言われたいし、自分でもかっこいいと思いたいから。

しかし、本当の意味でチューニングするのであれば、まずは足回りでしょう。

足回りといっても、最初は安全の意味も込めてブレーキ系は重要です。

止まらない車では事故につながりますので、最低でもスポーツ用のブレーキパッドの着用をおすすめします。

プロジェクトμ NS-C 純正キャリパー用
プロジェクトμ NS-C 純正キャリパー用
86・BRZ用 価格:F 13000円 R 12000円

ブレーキキャリパーは交換してしまうと、ノーマルローターでは負けてしまうため、ローターも交換する必要があります。

ストリート仕様であれば、ブレーキパットの交換のみでも十分でしょう。

また、ショックアブソーバーやサスによって車の挙動は大きく変わります。

足回りチューニングによって変わる車の特性や挙動を知っておくことが、次のステップアップにつながるという事を念頭においていただきたいと思います。

現在は車高調整式ショックアブソーバー(以下車高調)でも、最低地上高(18mm)を確保していれば、車検の際も保安基準適合品として認められます。

車高調の種類も多々ありますが、減衰力調整式の方が調整幅も広がりますので、最低でも10段式以上のものがおすすめです。

減衰力というのはいわゆる「ショックの固さ」を表し、減衰力調整でショックの固さが調整できます。

86の場合、ショックが柔らかすぎるとロールが大きくなることで体制維持ができなくなり、固すぎると全くロールせずにリヤが流れるという現象を起こします。

また、車高調であればタイヤのキャンバー角の調整ができるピロボールアッパーマウントを装着することも併せておすすめします。

ここで、おすすめ車高調をご紹介します。

TEIN ストリートフレックスZ
TEIN ストリートフレックスZ
86・BRZ用 価格:98000円
全長式・減衰力16段階 複筒式 リプレイスメントサービス
ピロアッパーマウント付 バネレート F6.0kg R6.0kg
※リプレイメントサービス:オーバーホールとは違いショックを交換するメンテナンス
 

CUSCO ストリートA
CUSCO ストリートA
86・BRZ用 価格:128000円
減衰力調整40段階 複筒式 
ピロアッパーマウント付 バネレート:F 4.5kg(5.0kg)、R 5.0kg(6.7kg)
 

車の車高を変更すると、下げた場合はタイヤ角が「ハの字」になり、上げると「逆ハの字」になりますが、これをキャンバー角といいます。

車高は高くすれば不安定になりますが、低くすると車は安定します。

しかし、低くし過ぎるとキャンバー角が強くなることでタイヤ接地面が減少し、最悪の場合にはタイヤがグリップしなくなります。

タイヤがグリップしないということは車を不安定にさせ、86の場合はリヤ滑りを起こしますので注意が必要です。

今回ご紹介した車高調整式ショックアブソーバーは、ストリート使用には十分に力を発揮するショックアブソーバーです。

トヨタ86の吸気系チューニング

吸気系のお手軽チューニングといえば、「エアクリーナー」、
排気系といえば「マフラー」交換になりますが、なぜなのかという事をまずはご理解いただきたいと思います。

エアクリーナーは純正の場合、ボックスの中にフィルターが入っています。

このエアフィルターがエアを浄化し、砂ボコリなどを取り除いてきれいなエアをエンジンに送り込む働きをしています。

しかし、純正のエアフィルターは浄化作用に特化しているため、じつはエアの流入効率を妨げている部分があります。

チューニングパーツメーカでは、高い浄化性能を持ちながらもスムーズなエア流入を考えたエアクリーナーやエアフィルターを作り出しました。

HKS プレミアムサクションキット
HKS プレミアムサクションキット
86・BRZ用 価格:34560円

このプレミアムサクションキットは、アルミ製のサクションパイプとスーパーハイブリッドエアフィルターによりエア流入の抵抗低減を実現し、アルミ製サクションパイプによりアクセントを付けることができます。

また、HKSは老舗でありながら現在もチューニングパーツメーカーとして第一線を歩んでおり、レース界からも高い信頼を得ています。
 

APEXIi パワーインテークフィルター
APEXIi パワーインテークフィルター
型式503-T109 86・BRZ用 価格:4200円

パワーインテークフィルターは純正フィルターの交換タイプになっていて、取り付けも非常に簡単です。

APEXも長くチューニングカーに携わってきたチューニングメーカーの一流ブランドで、こちらも信頼度の高いメーカーになっています。

エア流入ばかりを考えてしまうと汚れたエアをエアフロセンサーが感知し、エンジンが停止してしまいます。

ご紹介したプレミアムサクションキットとパワーインテークフィルターは、ノウハウを熟知したメーカーが製造したものなので信頼度も高く、安心できるおすすめ品です。

トヨタ86の排気系チューニング

排気系のチューニングで一番に思い浮かぶのはマフラーではないでしょうか?

車をチューニングしたらやはり良いサウンドを響かせたいというのが、マフラー交換の大きな喜びとなります。

しかし、本来のチューニングカーにおけるマフラー交換といえば排気効率をよくすることです。

本来であればエキゾーストマニホールド、フロントパイプ、中間パイプ、マフラーの4つを交換する事で、排気効率も良くなりパワーアップも望めます。

しかし、これらすべてを交換してしまうと、出費も大きくなってしまいます。

という事で、気になるマフラーについてご紹介していきます。

マフラー交換のみでもエンドパイプが純正よりもパイプ径が若干広くなっているので、多少排気効率は良くなります。

もちろん、前述した吸気系でご紹介したHKSやAPEXでもマフラーは販売しているので、同じノウハウから作られているメーカーで統一するのも良いと思います。

しかし、あえて違うメーカーのものをご紹介します。

トラスト GReddyコンフォートスポーツマフラーGTS
トラスト GReddyコンフォートスポーツマフラーGTS
86・BRZ用 価格:92000円

現在のマフラーはチタンでできているため非常に高価で、ほとんどのマフラーが20万円以上の価格になっています。

そんな中、このGReddyコンフォートスポーツマフラーGTSは、ステンレス製のため、10万円以下で購入できるというのがポイントです。

重さはチタンよりも重くはなりますが、チューニングメーカー「トラスト」が手掛けているマフラーですから、性能が悪いわけではありません。

マフラーテールエンドはチタン風になっており、何よりもトラストという信頼度の高いメーカーが作っているというのがおすすめポイントです。

柿本-改 Class KR
柿本-改 Class KR
86・BRZ用 価格:108000円

柿本-改もまたチューニング界では老舗となるメーカーです。

長期にわたりチューニングカーに携わってきたため、そのノウハウと技術は確かなもので、現在もチューニング界において活躍をしているメーカーです。

20年程前のスポーツカーブームに時代には、チューニングメーカーではめずらしい漢字で書かれた「柿本-改」に憧れて、パーツを購入していた人も少なくありませんでした。

実は当時、私のお気に入りのメーカーだったので、おすすめとしてご紹介させていただきました。

私が〇〇年前に使用していた柿本-改の「Kakimoto・R」
柿本-改 Kakimoto・R

マフラー交換においては、2010年の規制変更により音などにさらなる規制が設けられましたが、86(BRZ)はそれ以降に販売された車なので問題はありませんが、適合については必ず販売店又はメーカーに問い合わせをすることも併せておすすめします。

補足となりますが、実は排気効率を一番阻害しているのは排気を洗浄している触媒になります。

しかし、触媒レスは違法改造とみなされますので、公道でも使用する場合は絶対に取り外さないようお願いいたします。

トヨタ86のエアロチューニング

ここまでチューニングをしたら、やっぱり愛車の見た目もかっこよくしたいと思うのは当然ではなく、必然です。

エアロパーツを組むことで、より一層レーシーなイメージを作り出すことができます。

しかし、エアロパーツとはかっこだけを良くするものではありません。

エアロパーツとは、空気抵抗を低減する能力を高め、ダウンフォースによりタイヤの接地力を上げる効果を持っています。

では、エアロパーツもご紹介します。

TRD86用エアロパーツ
TRD86用エアロパーツ

86用フロントスポイラー 40,000円
86用サイドスカート 46,000円
86用リヤバンパースポイラー 42,000円
86用リヤトランクスポイラー 32,000円

(※塗装済価格)

エアロパーツは多数のメーカーにより種類も豊富にありますが、今回はあえてTRDのみをご紹介します。

というのもTRDはトヨタ車専用のチューニングメーカーであり、86についてもそのノウハウについて他社よりたくさん引出を持っているからです。

TRDは86のボディ形状を熟知し、そのうえでエアロパーツの開発を行っているわけですから、信頼度が高いメーカーと言えます。

TRDのパーツであれば、競技用以外のものはトヨタでも純正パーツとして扱うようですので、その辺の利点も含めてご紹介させていただきました。

最近はGTウィングというのもずいぶん人気があるようですが、GTウィングの場合車幅より長いと非合法となるので取り付ける場合は注意してください。

オーバーフェンダーにする場合は構造変更届が必要になりますので、併せて注意してください。

BRZいついては、バンパー形状等に違いがありますので、ご購入の際は、販売店に必ず確認してください。

とりあえずここまでの仕様であれば、ストリートやワインデイング走行は十分楽しめるライトチューン車ができあがると思います。

トヨタ86のコンピュータ(ECU)チューニングとは?

コンピュータチューンの事を業界ではROMチューンと言います。

なぜROMチューンというかと言いますと、コンピュータの中にあるROMのデータを書き換えることがチューニングだからです。

車のコンピュータ
車のコンピュータ

ROMチューンによる基本的な変更点は「スピードリミッターカット」「レブリミッターカット」「燃調補正」がポイントになります。

86はNAなので、前述した程度のチューニングだと燃調補正はあまり気にすることはありませんが、気になる場合はチューニングショップに相談する事をおすすめします。

しかしエンジンバランスを取るなどのメカチューンやカムシャフトやピストンを交換するフルチューンなどを行った場合はROMチューンが必須となるので、チューニングショップなどで確認をしてください。

タービンの取付け(ターボチューン)を行った際は、燃調補正は必須ですので、こちらもチューニングショップで確認してください。

タービン
タービン

燃調補正は燃費にも影響してきますので、吟味に吟味を重ねる必要があります。

また、メカチューンやフルチューン、ターボチューンなどをする際は「吸排気系チューニング」に記しました「エキゾーストマニホールド」「フロントパイプ」「中間パイプ」などの交換も必要になる場合がありますので、チューニングショップと相談しながら進めてください。

Fコンなどのサブコンピュータや外部からROMをコントロールするスロットルコントローラーなどもありますが、これは知識がともなってからご使用することをおすすめします。

トヨタ86のチューニングまとめ

ここでご紹介したチューニングは、ほとんどが合法チューンですので違法改造にはならないものをご紹介しました。

また、エアロパーツ以外のチューニングは全て86とBRZ共通になります

必要以上のものを求めると違法改造になってしまいますが、ライトチューン程度であれば違法改造をしなくても車のパワーアップや性能アップを楽しむ事は可能です。

また、必要以上の改造をすると交通事故にもつながりかねませんので、正しいチューニングをして、楽しいスポーツカーライフが遅れますよう、心からお祈りいたします。
 
 

以上、今回は

について紹介しました。