ディーゼルエンジンといえば、バスやトラックなどに多く用いられているイメージがあります。

ディーゼルエンジンの仕組みや構造

以前は乗用車にもディーゼルエンジンが搭載されていましたが、ディーゼルエンジンの排気ガスに規制をかける地域が増えたことにより、その数は激減します。

しかし、最近はクリーンディーゼルが開発され、再びディーゼルエンジン搭載車が登場するようになりました。

そこで今回は、ディーゼルエンジンの仕組みや構造、特徴などについてご紹介します。





ディーゼルエンジンの仕組みと構造、ガソリンエンジンとの違いは?

単にディーゼルエンジンだけをご紹介しても分かりにくいと思いますので、ガソリンエンジンと比較しながら見ていきましょう。

ガソリンエンジンの使用燃料は、名前の通り「ガソリン」になります。

ガソリンエンジン機関
ガソリンエンジンの仕組みや構造

ガソリンには2種類あり、レギュラーガソリンとハイオクガソリンがあります。

対してディーゼルエンジンの使用燃料は「軽油」になります。

ディーゼルエンジンの仕組みや構造2

スパークプラグのないディーゼルエンジンとガソリンエンジンでは、着火方法の仕組みに違いがあります。

ディーゼルエンジンは、エンジン内部の圧力を高めることによって軽油を自然発火させることで燃焼する仕組みになっています。

対してガソリンエンジンの場合、ガソリンをエンジン内部に取り込んで、スパークプラグから飛ぶ火花によって着火させ、燃焼させます。

ディーゼルエンジンの場合、スパークプラグは存在しませんので、ガソリンエンジンとの大きな構造の違いになります。

このことから圧縮比を考えていくと、ディーゼルエンジンの圧縮比は17~20となり、ガソリンエンジンより2倍近く高いことになります。

軽油とガソリンの違いは、着火点にもあります。

ガソリンの着火点が400度~500度となっているのに対して、軽油の場合は300度~400度と、およそ100度の違いがあります。

この着火点の違いにより、軽油はガソリンよりも自然発火しやすいということになります。

軽油は自然発火しやすいといっても、エンジンをかける際に予熱が必要になります。

インパネ上にスプリングのようなマークが出ますが、これをグローランプといい、イグニッションンをオンにして少しするとこのグローランプが消えますので、消えたらエンジンを始動します。

グローランプ
ディーゼルエンジンのメーターにあるグローランプ

このグローランプはガソリンエンジン搭載車にはありませんので、車の構造上の一つの違いとなります。

それから、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと違って、スロットルバルブがありません。

ガソリンエンジンはアクセルを踏むことでスロットルバルブをコントロールし、吸気した空気量によって燃料を噴射します。

しかしディーゼルエンジンの場合は、アクセルを踏むことで基本的には燃料の噴射量をコントロールしているのです。

これによってスロットルバルブでの絞りがなくなり、ポンピングロスを減らすことができるということが大きなメリットとなります。

※ポンピングロスとは、内燃機関がポンプのように空気を吸入し排気ガスを排出する際に排気圧力が吸気圧力より高くなると負の仕事となることをいいます。

ディーゼルエンジンのメリットとデメリットとは?

ディーゼルエンジンのメリットは低燃費と燃料の低価格という点にあります。

最近のディーゼルエンジンはさらに燃費が良くなっており、平均的に見ても20km/L以上走る車も多く存在します。

また、燃料となる軽油は1Lあたり約95円となり、レギュラーガソリン約120円、ハイオクガソリン約130円と比較しても、経済的な価格となっているのもおおきなメリットといえます。

ディーゼルエンジンのメリットとデメリット 燃料代

しかし、ディーゼルエンジンにはデメリットもあります。

それは価格が高いことです。

ディーゼルエンジンに使用されているインジェクターは超高圧で燃料噴射量を制御するためシステムが効果になってしまいます。

ガソリンエンジンとディーゼルエンジンではインジェクターだけの価格でも桁が異なります。それに燃料を制御するための高価なシステムも付きますので、どうしても価格が高くなります。

そして、排気ガスを低減するために触媒を使用していますが、この触媒の価格も高いです。

ディーゼルエンジンの仕組みや構造のまとめ

ディーゼルエンジンは、以前の排気ガス問題から多くの乗用車が姿を消してしまいました。

しかし、クリーンディーゼルエンジンの登場で再び注目を集めることとなります。

そんな中、今から約9年前の2007年当初、社会現象を起こしたディーゼル車があるのをご存知ですか?

その車はトヨタの「ランドクルーザー」です。ランドクルーザーの200型が登場した2007年9月、ディーゼル車の設定がありませんでした。

2008年にディーゼル車が登場するもののこれは海外仕様のみで、国内仕様ではラインナップされませんでした。

トヨタ ランドクルーザー200型(前期型)
トヨタランドクルーザー200型-前期型

一方、ランドクルーザー100型は1998年1月~2007年9月の製造終了まで、ディーゼル車の設定がありました。

ランドクルーザー200型にディーゼル車の設定がないことから、ランドクルーザー100型のディーゼル車が徐々に高騰していきます。

トヨタ ランドクルーザー100型
トヨタランドクルーザー100型 ディーゼルエンジン

ランドクルーザー200型が登場した当時、このランドクルーザー100型のディーゼル中古価格は、ほとんどが安くても400万円以上の値が付けられました。

トヨタ ランドクルーザー100型 中古車
トヨタランドクルーザー100型の中古車 ディーゼルエンジン
2006年式 走行距離94,000km 本体価格432万円

走行距離数はほとんど関係のないものにされ、ランドクルーザーのディーゼルエンジンに付加価値がついてしまい、程度が良いものだと600万円以上となるものも存在しました。

当時は中古車販売店も、このランドクルーザー100型ディーゼルには強気の価格を表示していましたが、現在も高騰が続いているようです。
 
 

以上、今回は

について紹介しました。