「ローバーミニが欲しい。」
「可愛いし、オシャレだし、カッコいい。」
でも、買うにはちょっと勇気がいりません?
車好きの先輩に聞いたら、「初心者のオマエには向かないぞ」とか、
親に相談したら、「通勤に使うんだったら軽自動車にしなさい」とか。
誰に聞いても反対意見しか出てきません。
そりゃあそうです。
最後のローバーミニの製造が終了したのが2000年の10月。
16年経った現在でも多くの方に親しまれ、オーナーズブログや専門店も多く存在します。
しかし、基本設計自体が40年以上前の車なので、もちろん壊れる事もありますし、メンテナンスは大変です。
それに、ミニという名前は知っていても、長い歴史の中で様々な呼び方や形が存在するので困っている方もいらっしゃると思います。
今回は、そんなミニの基本情報(燃費など)や維持費(バッテリー交換など)に関することを紹介していきます。
↓お好きなところからご覧ください
ローバーミニの基本情報:主要諸元
車名 | ミニ |
販売期間 | 1959年~2000年 |
乗車定員 | 4名 |
エンジン | 直列4気筒 OHV(オーバー・ヘッド・カムシャフトの意) |
駆動方式 | FF |
変速機 | 4速MT/4速AT |
全長 | 3051mm |
全幅 | 1410mm |
全高 | 1346mm |
車重 | 638kg |
実燃費 | 13.75km/L ※みんカラより。後で詳しく解説有り。 |
多くの有名人にも愛用されていたミニ。
著名な方で言うと、ビートルズのメンバーのジョージ・ハリスンなどの有名ミュージシャンや、イギリス王室では女王エリザベス2世までもがミニオーナーだったそうです。
ビートルズのジョージ・ハリスン
ジョージ・ハリスンの愛車「1966年式クーパーS」
日本では少年ジャンプで連載されていたシティーハンターの主人公:冴羽りょうが愛用していた赤いミニクーパーで有名になりましたね。
ローバーミニの基本情報その2:呼び名
多くの呼び方が存在するミニですが、大きく分けると3つに分かれます
まずは一つ目。
オースチン・セブンとモーリス・ミニ・マイナーという名前があるのですが、これは販売系統の違いによるもので、違いはエンブレムやグリルなどの部分だけです。
※後で写真を掲載しますのでそちらを参考に。
次に2つ目。
ミニクーパーとい名前ですが、これはミニのクーパーというグレードです。
ジョン・クーパーというレーシングマシンを手掛けていた人物の名前からきています。
主にスポーツグレードに使用されており、1960年前半のミニから、現在販売されているBMW製MINIでも使用されています。
ジョン・クーパー氏とミニ・クーパー
最後に3つ目の名前です。
ローバーミニという名前ですが、これは1986年の会社合併により、ローバーという会社が販売したミニという事で、ローバーミニという呼び方になったのです。
他にも、BMWMINIと分ける為に2000年以前に販売されていたミニを、クラシックミニと呼ぶ場合もあります。※形状によりクラブマンやカントリーマンという名前もあります。
オースチンミニやモーリスミニ、ローバーミニ、クラシックミニは、基本的に同じ形をしています。
ただ、初期のミニに対して、「これ、ローバーミニって言うんだよ。」とか言ったりすると、少し恥ずかしいので注意しましょう。
ローバーミニの基本情報その3:ミニの歴史
・BMC時代
最初のミニが造られたのは今から57年前の1959年。
1952年に設立されたイギリスの自動車会社BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)により開発、製造されました。
現在の軽自動車よりもコンパクトなこの車が生まれたのには、当時の時代背景が強く関係してきます。
1956年9月に第二次中東戦争、いわゆるスエズ戦争が起こり、国際的に石油価格が高騰しました。
その影響を受けたイギリスなどの西ヨーロッパ諸国は中東の油田依存が高く、たちまちオイルショックにおちいります。
それまで所有していた乗用車さえ維持する事が出来なくなったイギリス国民はもっと経済的な車を求める様になりました。
もちろん、それまでにも経済的な車はありましたが、当時は単気筒や二気筒の空冷エンジンを搭載した2~3人乗りが主流で、まともに乗れるようなものではありませんでした。
そこでBMCの最高責任者サー・レナード・ロードの命により、経済的であり、かつ居住性や操縦性に優れた大人が4人乗れる車を、早急に開発する事になります。
1959年、BMC傘下にあった2つの自動車ブランドから発売されたミニは、オースチン・セブンとモーリス・ミニ・マイナーという名前で販売されます。
2車の違いはグリルとボンネット・トランクのバッチのみ。
違い、分かりますか?
オースチン・セブン
モーリス・ミニ・マイナー
・BMH時代
1966年、ジャガーとダイムラーを吸収しBMH(ブリティッシュ・モーター・ホールディングス)に社名を変更。
・BLMC時代
1967年、BMHとレイランドグループ(トライアンフなど)、ローバーグループが合併し、BLMC(ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション)になります。
この後さらに社名が変わり、ミニはローバーブランドとして販売される事になるのですが、それはまだ少し後の話になります。
・ブリティッシュ・レイランド時代
1975年、BLMCが破産寸前になります。イギリスはこれを危機と感じ国有化し社名をブリティッシュ・レイランドとします。
・ローバー・グループplc時代
1986年、社名をローバー・グループplcとします。
これには1982年の事業部門変更が関わっており、大衆車部門として発足したグループ名をほぼそのまま使用し、ブリティッシュ・レイランドは上記の社名へと変更されます。
そして、ローバー・グループのブランドとしてローバー・ミニとして生産、販売される事となります。
・ローバー・ミニの最後
1994年にBMWがローバーグループを購入します。
ところが1996年、BMWは購入したものの利益を得る事が出来ず、ローバー・グループの売却をします。
いくつかのブランドについてはその後も生産し、その中にはミニも有りました。
1998年にはポール・スミスとのコラボレーションモデル(ポール・スミス)を発表したりするなど精力的に特別仕様車等を出しましたが、莫大な赤字が消えることは無く、BMWはついにローバー・グループのほとんどの部門を売却、整理する事になります。
そして2000年10月に製造を終了し、ミニは40年間の歴史に幕を下ろす事になります。
これまでの累計販売台数は530万台。
アメリカ・ラスベガスで投票が行われた、1900年代のカー・オブ・ザ・センチュリーではミニは世界で2位になり、ヨーロッパ車の中では最高の得票を得ています。
ローバーミニの内装
40年近く販売されているローバーミニは、年代に応じて様々な内装があるのに加えて、特別使用モデルが多くあります。
また、専門ショップがオリジナルの内装を手掛けている場合も多く、同じ車を探すのが難しい反面、自分だけのミニに出会えるのが楽しみの一つではないでしょうか。
1990年式 ローバーミニ1000アニバーサリー
1980年代 オースチン・ミニ
センターメーターがオシャレです。
ローバーミニのシート
シート生地もミニを選ぶ上で非常に重要なポイントです。
おしゃれなミニからゴリゴリの体育会系まで有り。
年代不明 おそらく1990年代の1.3メイファ。タータン柄が可愛いです。
1991年式ローバーMINI MK1 1.3WEBER(MT)
ショップさんの特注シート&メーターパネル
ローバーミニのエンジン
大きく分けて3タイプあります。写真付きでご案内いたします。
1959~1967年代 Mk-1(初代エンジン搭載車の事をマークワンと呼ぶ)
排気量:848cc
最大出力:34ps/5500rpm
最大トルク:6.08kg-m/2900rpm
初代ミニエンジン
1967~1976年代 Mk-2(1967~1969) Mk-3(1969~1976)
排気量:998cc
最大出力:38ps/5250rpm
最大トルク:7.2kg-m/2700rpm
Mk-2エンジン
この間もマイナーチェンジを繰り返しますが大きく変更があったのは1992年からです。
1992~2000年代 インジェクションエンジン搭載ミニ
排気量:1271cc
最大出力:53ps/5000rpm
最大トルク:9.3kg-m/2600rpm
ローバーミニの燃費は?
最初の方に書きましたが、平均燃費はみんカラによるとレギュラーガソリンで13.75km/l、ハイオクで13.12km/lとの事ですので、比較的良い方だと思います。
馬力が小さく燃費の悪いイメージもありますが、メンテナンスと乗る環境で大きく左右されます。
中には94年式のMT車で19.29km/lという猛者もいたりします。
ローバーミニの維持費はいくら?
お金のかかるイメージがありますが、基本的な費用は割と安い方です。
自動車税
1300cc以下:29500円×15%up=33,900円
1500cc以下:34500円×15%up=39,600円
重量税:初度登録から18年経過22,800円
自賠責保険:27,840円(24か月)
印紙代:1,200円
合計:51,840円
※これに整備費用、諸費用がかかると120000円~150000円前後といった所です。
ローバーミニのバッテリー交換の費用は?
なお、維持費の中でも高額になるのがバッテリーです。
専門ショップなどを調べてみると金額や工賃がバラバラでした。
大体15000円代~30000円代なのですが、ショップで交換すると、オルタネーター(発電機)が正常作動してるか、などをチェックしてくれる所もあるそうです。
ローバーミニ専用バッテリー ACデルコ S55B24L 価格15984円(Amazon調べ)
その他ではエンジンオイル交換ですが、非常に難しいのでショップなど専門店に任せましょう(笑)
一般的には、年代に合わせたオイル選びが肝心で、特にオイルの粘度を失敗するとオイル漏れの原因などにも繋がりますのでご注意下さい。
後、ミニに限らずの話になりますが、必ずといっていいほど壊れます。
ワタシの友人はミニを購入後、ダッシュボードから室内への水漏れや、その他のマイナートラブルにより年間で半年近く修理していたと言っていました。
こういう話はどこにでも、どんな車にも一つや二つあります。
壊れないで有名なトヨタのクルマだって壊れる事もあるんです。
もし、ミニを購入しようとしたら、色んな反対意見があると思います。
しかしながら、最終的に判断するのは自分です。
半年しか所有出来ないかもしれないし、ミニミーティングに行こうとして出発したら高速のパーキングエリアでオーバーヒートしてしまった、なんて事もあるかも知れません。
でも、しっかりとした運転前点検を日常的にする事で大体のトラブルは防げます。
キーワードは、心にゆとり、です。
少し故障しても、慌てないで下さい。
学生さんや、通勤で使おうと考えているフレッシュサラリーマン&OLさん達は必ず他の移動手段を持つ事。
それと、ミニを維持する為の貯金を必ずしてくださいね。
以上、今回は
について紹介しました。