2016年12月12日
最近のスポーツカーといえば、非常に高価なものになってきています。
日産のGT-R R35型は996万円、ホンダNSXは2370万円となかなか手に入れることに悩んでしまう価格になってきています。
日産フェアレディZ Z34型は400万円程で、ライトウェイトスポーツカーのトヨタ86やスバルBRZ、マツダロードスターでも300万円程と安くはありません。
そんな中、最近注目を浴びている中古のスポーツカーがあります。
その中古のスポーツカーは日産フェアレディZ Z33型です。
中古のスカイラインGT-Rなどが高騰していく中、日産フェアレディZ Z33型の中古車がお手頃価格ということで、チューニング雑誌などでも取り上げられるようになりました。
そんなフェアレディZ Z33のチューニングにはどんなものがあるのか見ていきましょう。
↓お好きなところからご覧ください
チューニングの前にフェアレディZ Z33ってどんな車?
はじめに、フェアレディZ Z33とはどんな車なのか紹介します。
ノーマルのスペックを知っておくことで、求める自分だけのフェアレディZ Z33に仕上げることができることと思います。
日産 フェアレディZ Z33
Z33 前期型 | Z33中期型 | Z33後期型 | |
---|---|---|---|
エンジン型式 | VQ35DE | VQ35HR | VQ35HR |
排気量 | 3.5L | 3.5L | 3.5L |
最高出力 | 280ps(206kW)/6200rpm | 294ps(216kW)/6400rpm | 313ps(230kW)/6800rpm |
最大トルク | 37.0kg・m(363N・m)/4800rpm | 35.7kg・m(350N・m)/4800rpm | 36.5kg・m(358N・m)/4800rpm |
全長 | 4310mm | 4315mm | 4315mm |
全幅 | 1815mm | 1815mm | 1815mm |
全高 | 1315mm | 11315mm | 11315mm |
ミッション | 6速MT/5速AT | 6速MT/5速AT | 6速MT/5速AT |
燃費 | 9.7km/L | 9.5km/L | 9.6km/L |
サスペンション | 前後マルチリンク | 前後マルチリンク | 前後マルチリンク |
ブレーキ | 前後ベンチレーテッドディスク | 前後ベンチレーテッドディスク | 前後ベンチレーテッドディスク |
ブレンボブレーキ | Ver.S、Ver.ST | Ver.S、Ver.ST | Ver.S、Ver.ST |
フェアレディZ Z33は、NA(自然吸気)エンジンでありながら、280馬力を発生する大排気量・ハイパワーというのが特徴で、6速マニュアルも備えられています。
ただし、スカイラインGT-R R32~R34型と同じ280馬力でも、ドッカンパワーではなく、下から湧き上がってくる感じのハイパワー車になっています。
また、ブレンボブレーキシステム装着車であれば、もともと足回りも硬めの設定になっていますので、ノーマルでも十分にスポーツ走行が楽しめるスポーツカーになっています。
フェアレディZ Z33のチューニングはブレーキから!
フェアレディZ Z33は、標準車でも大きめのブレーキキャリパーが備えられており、Ver.SとVer.STにはブレンボキャリパーも備えられています。
ブレンボキャリパー
しかし、ウェイトのあるスポーツカーということもあり、本格的なスポーツ走行やパワーアップチューニングをしていくとなると、ブレーキの効きが足りないと言われています。
ですから、チューニングをしていくのであれば、特にノーマルブレーキシステムの場合はブレーキパッドの強化は必須となります。
エンドレス ストリートスポーツ用ブレーキパッド
SSM(Super Street M-sports)
価格:ノーマルキャリパー用一台分 ネット価格30,996円~
ブレンボキャリパー用一台分 ネット価格30,996円~
プロジェクトμ ストリートスポーツ用ブレーキパッド
TYPE HC+
価格:ノーマルキャリパー用一台分 ネット価格28,600円~
ブレンボキャリパー用一台分 ネット価格30,186円~
この二つのブレーキパッドは、街乗りからスポーツ走行まで使えるもので、ブレーキの効きを高くしながらもコントロール性を高くしているという高性能ブレーキパッドです。
ブレーキの効きだけなら競技用と思ってしまいがちですが、競技用は温まらないと性能発揮ができない分、ストリートで使用すると危険な場合もあります。
ですからここでは、街乗りからスポーツ走行まで使えるものの中から、この二つをピックアップしてみました。
フェアレディZ Z33のョックアブソーバのチューニングならこれ!
実際にフェアレディZ Z33に乗ってみますと、純正のショックアブソーバの減衰力は意外に高めで、そのままスポーツ走行を楽しむことができます。
しかし、安定性を高くしたりドリフト仕様にしたりするのであれば、ノーマルの車高では若干高めになってしまいます。
さらに、車の見た目のためにも車高を落としたいというのは、スポーツカー乗りでなくとも考えてしまいます。
TEIN 車高調整式ショックアブソーバ
MONO Sports DAMPER
全長調整式
減衰力16段調整
アッパーマウント付
価格:ネット価格132,800円~
TEINのMONO Sports DAMPERは、ワインディングやサーキット走行も楽しめるセッティングになっていますが、減衰力の調整により街乗りにも十分対応できます。
このショックアブソーバは、TEINのEDFC(減衰力調整力コントローラー)にも対応しているため、室内から減衰力の調整が可能になっています。
TEIN EDFCⅡ
価格:ネット価格28,452円
Z33の場合、トランクルームに純正タワーバーが装着されており、そこにカバーが付いているため減衰力調整をするたびにカバーを外す必要があり、手間がかかります。
しかし、このEDFCがあれば、室内からの減衰力調整が可能となり、いちいちカバーを外すという手間がなくなる上に、細かな調整がその都度できるというメリットがあります。
CUSCOのstreet zero Aも街乗りからスポーツ走行まで対応できる、減衰力調整式車高調で、こちらは減衰力40段調整になっています。
CUSCO street zero A
全長調整式
減衰力40段調整
アッパーマウント付
価格:ネット価格122,400円~
e-con2(減衰力調整コントローラー)非対応ですが、リヤの減衰力調整ダイヤルはショックの下側にあるので、減衰力調整はそれほど手間がかかりません。
この二つのショックアブソーバは、街乗りもスポーツ走行もしたいという方には、おすすめとなります。
フェアレディZ Z33の吸排気系チューン
吸排気系チューンは、効率の良い吸気と効率の良い排気が、大きな目的となります。
吸気系チューンでは、エアフィルターの純正交換タイプと、ボックスごと交換するエアクリーナー交換の二通りがあります。
街乗りでスポーツ走行を楽しむのであれば、エアフィルター交換タイプで十分な効果を得ることができるでしょう。
NISMO Sports Air Filter
価格:ネット価格7,925円~
本格的なスポーツ走行を目的とするのであれば、エアクリーナーを交換した方が良いかもしれません。
HKS エアクリーナーRACING SUCTION
価格:ネット価格36,617円~
HKSのRACING SUCTIONは、HKS伝統の「キノコ型」になっており、専用設計のサクションパイプが、吸気効率を高いものにしています。
排気系では誰もが交換したいと考えるのはマフラーで、排気効率だけではなく音も良くしたいと思うのが当然とされています。
多くの方は街乗りにも使用することが考えられますので、ここでは車検対応マフラーを二つご紹介します。
HKS Supr Sound Master
材質:ステンレス
価格:ネット価格142,128円
TRUST GreddyコンフォートGTスラッシュ
材質:ステンレス
価格:ネット価格71,060円~
最近は丈夫で軽いチタンマフラーも多く出ていますがかなり高価なので、ここでは信頼できるメーカーのステンレスマフラーをピックアップしました。
マフラー交換の注意事項として、車検対応品でも2010年制定の排気ガス規制法による内容変更がありますので、メーカーや販売店に確認してからご購入してください。
フェアレディZ Z33のECU(コンピュータ)チューン
フェアレディZ Z33の場合、実はコンピュータのリミッターによって抑えてある部分がかなり大きいようです。
これは、安全性を高くしているもので、ノーマルECUではその全てを十分に発揮できないというのが事実です。
ですから、コンピュータのレブリミッターとスピードリミッターを外すだけで、そのパフォーマンスはかなり変わるようです。
NET WORK リセッティングCP
価格:43,500円~
このECUは、STAGE1~STAGE3までと段階別にセッティングされたECUが用意されています。
STAGE1のスピードリミッター解除から段階別にレブリミッター書き換えや燃調や点火マップ変更などに対応しています。
また、ECUチューンでは室内からコントローラーによる任意操作によって、様々な調整をすることもできます。
pivot 3-drive・COMPACT(THC)
価格:18,000円
このpivot 3-drive・COMPACT(THC)は、低価格でありながら始動時・スポーツ走行を含む走行モードなど、モード切替えによって調整できる優れものです。
さらにコンパクトボディですから、車の操作においても邪魔にならない場所へ設置することが可能です。
ECUチューンの注意点としては、排気系のフロントパイプや中間パイプの交換やエンジンのカムシャフトやピストン、ガスケット交換などをするとさらに変わります。
ECUのセッティングは専門知識を要する部分も多々ありますので、メーカーや販売店(チューニングショップ)などで相談しながらセッティングすることをおすすめします。
フェアレディZ Z33のエアロチューン
フェアレディZ Z33も誕生してから14年以上経過しており、ラインナップから消えたエアロパーツも多々あります。
でも、自分の車をかっこよくしたいと思うのは、車好きの方なら多くの方が思っていると思います。
では、注目度の高いフェアレディZ Z33用のエアロパーツをご紹介します。
Roket Bunny
価格:フルキット ネット価格258,509円~
Ings N-SPECエアロパーツ
フロントバンパー:57,740円
サイドステップ:49,850円
リヤアンダースポイラー:56,480円
Roket Bunyのエアロは、どちらかというとカスタムに近いものですが、見た目はかなり変わってしまいかっこいい感じです。
Ingsのエアロは、見た目もスポーティさを感じさせ、サーキット走行でもそのダウンフォース性能が十分に発揮できそうな雰囲気を持っています。
エアロパーツは安いものではありませんが、これを付けるだけで随分とイメージが変わるということは間違いないようです。
他にもまだまだ沢山ありますが、フロントバンパーの形状が前期・中期・後期と違いがあるので、特にリップスポイラーやハーフスポイラーを選択する場合は注意してください。
フェアレディZ Z33のエンジンチューン!
フェアレディZ Z33のエンジンであるVQ35DEとVQ35HRは、NAエンジンでありながら280馬力を発揮しますが、加速面に不満を持つ人は少なくありません。
加速を良くするために考えられることは、ターボチューンやスーパーチャージャーチューンになってしまいます。
しかし、ターボチューンやスーパーチャージャーチューンを施すとエンジン内部まで手を加えなければならなくなります。
そこにエキゾーストマニホールドやフロントパイプ、中間パイプも交換が必要になると、さらにお金がかかってしまいます。
また、ピストンやカムシャフトを交換するメカチューンやフルチューンでも、関連部品の交換は必要になりますので、こちらも金額は安くはないようです。
フェアレディz Z33は、280馬力でもNAなので扱いやすいというのもポイントですので、必要以上のチューニングよりも確実なハンドリングが重要かもしれません。
フェアレディZ Z33のチューニングの弱点
いくら車をチューニングして早い車を作り出しても、その車の弱点を克服していないと、せっかくのチューニングが無駄になってしまいます。
フェアレディZ Z33型の場合は、エンジンオイルの上昇に弱点を持っています。
フェアレディZ Z33では構造上、オイルパンへの空気流入が良くなく、油温上昇を抑えきれなくなってしまいます。
油温が上昇しすぎるとオイルはさらさらになってしまい、エンジン内部への絡みが悪くなり、最悪の場合エンジンブローを起こしてしまいます。
本格的なサーキット走行やスポーツ走行を考えているのであれば、オイルクーラーの装着が必須となりますので、頭に入れておいていただきたいと思います。
フェアレディZ Z33のチューニングのまとめ
フェアレディZ Z33のメリットはなんといっても中古相場が安く、チューニングパーツも充実しています。
フェアレディZ Z33
2003年式 走行6万8千キロ 6速MT
車検:2018年7月
価格:79万円(車両価格)
そして中古車の数も豊富で、程度の良いものも数多くあり、ボディカラーも自分好みの一台が見つかると思います。
また、ノーマルでもハイパワーで、トルクもかなり太いという点からもお分かりいただけると思いますが、素晴らしいポテンシャルを秘めている車です。
これからチューニングカーの第一歩を踏み出す方にも最高の車ですので、フェアレディZ Z33で存分にチューニングライフを楽しんでいただけたらと思います。