現在、日本で購入出来るクルマは星の数ほどあるかと思いますが、その中でもマニアック過ぎず知名度があり、かつ周りからの評判も割と良いクルマと言えばこの『フィアット500』ではないでしょうか。
オシャレなのに気取らないこのキュートなルックスは、年齢問わずどの世代の方にも受け入れられやすい様に思います。
しかしながら、購入するとなれば話は別です。
ネット上でよく検索されているのはフィアット500の故障に関して。
そこで今回は、フィアット500の故障に関する情報を調べてみました。
↓お好きなところからご覧ください
フィアット500は故障しやすいの?
まず、私が中古車販売の営業をしている時に、お客様から実際に聞いた話を紹介します。
などの様に、「~らしい。」という情報などに振り回されてしまい、家族などの反対により購入を迷う方、諦める方がいます。
実際に、確かに壊れる事が多いのは事実です。
ただ、最近では新車の営業マンも中古車販売店の方もちゃんとメリットやデメリットを教えてくれますし、故障と上手く付き合っていけばそこまで苦労することは少ないと思います。
そこで、タイトルにもなっておりますが、フィアット500はデュアロジックやツインエアが故障しやすいのかを、みんカラなどの情報をベースにまとめてみようと思います。
まずは、故障しやすい所と、故障を防ぐ方法です。
- 故障しやすい所:トランスミッションを含む駆動系、冷却系、エンジン補機類など。
- 故障を防ぐ方法:出かける前の運行前点検、走行距離と年数に応じた定期点検。
この上記に書いた故障しやすいとkろお気を付けて点検すれば、走行中に故障することが激減します。
ただ、ほとんどの人が人は故障を防ぐ方法の一つ『出かける前の運行前点検』をする習慣がありません。
お父さんが愛している名車を、娘に渡した途端に壊れてしまったとかもよく聞く話です。
フィアット500を購入された方はできるだけ点検するようにしてください。次に、具体的な故障事例を紹介します。
フィアット500のデュアロジックの故障について
デュアロジックとは、フィアット500の代名詞とも呼べるトランスミッションです。
世界中で愛されたフィアット製、二代目500(チンクエチェント)が製造中止してから約30年後の2008年に復活したフィアット500。
これに搭載されたオートマチックがデュアロジックと呼ばれるトランスミッションです。
オートマ限定免許でも乗る事ができるクラッチがないミッション』といったようなものです。
このデュアロジックに多い故障が『ミッションオイル漏れ』です。
これは、フィアット500に限らずどの欧州車にもよくある事です。
発見したら、早めに修理工場に相談しましょう。
次に多い故障は『ギアが勝手にニュートラルになる』という症状です。
信号待ちの時などに発進しようとしたら前に進まず、よく見たらギアがニュートラルになっていて慌ててドライブに入れ直したなどの症状が報告されています。
ディーラーに持っていくと、症状が出ない場合はコンピューターのリセットなどで返されてしまう事もありますが、セレクションポジションセンサという部品の故障が原因だったという事例もありました。
なお、みんカラを調べていますと多くの方がデュアロジックのオイル交換をされている様です。
20,000kmの走行距離でディーラーに進められて交換する方もいれば、中古車を購入し地元のショップでオススメされて60,000kmで交換し、走りが改善されたという事例もあります。
ちなみに、ディーラーの定期点検ではデュアルロジックは点検項目に入っていないとの事なので、気になる方は点検時に聞いて見る事をオススメします。
費用に関しては工場によって多少バラつきがあるものの、工賃とオイル代込で15,000円~30,000円(税抜)といったところです。
デュアルロジックオイルとトランスミッションオイル交換をセットで交換すると、19,800円で交換してくれる工場もありました。
ただ、一つだけ気をつけて頂きたいのは、工賃や部品代などは各お店で仕入れ方法や考えが違うという事です。
安易に値段交渉に持ち込むと煙たがれるだけなので、最低でも二つくらい見積もりを取って比べてみて自分との相性のよさそうなお店で作業してもらうのが良いと思います。
デュアルロジックのオイルタンク。かなり汚れているのが分かります。
新品のデュアルロジックユニット
フィアット500のツインエアの故障について
ツインエアは直列2気筒のターボエンジンです。
排気量はわずか875cc。
デビューした当初は、「本当にイタリア製のエンジンで2気筒とか大丈夫なの?」と思った記憶があります。
ところが、蓋を開けてみればどの口コミを見てもまずまずの評判です。
先代の500も2気筒だった事を思えば、日常走る為に必要最低限の馬力があれば良い訳ですし、アメ車でさえ2,000ccという小排気量のエンジン搭載車が増えている事を考えれば、フィアットの決断は正しかったという事になりますね。
それでは、ツインエアの故障しやすい所を紹介します。
ツインエアの故障で多いのは『エンジンがかからない』という症状です。
電気系統のトラブルによるものとの事です。
ステアリングシャフトと、イグニッションスイッチ配線(キーシリンダーの配線)が接触することにより配線被膜が破れてショートすることが原因と言われています。
これにより、エンジンがかからない、もしくはエンストするといった症状がでるとの事です。
年式によってはリコール対象になっている場合もあるので気になる方は下記のHPへ。
▶ FCA(フィアット/クライスラー/オートモビルズ)のリコール関連情報サイト
次にツインエアの故障として多いのが『冷却水漏れ』です。
これは、2気筒エンジン特有の振動によるものの可能性が高いという事です。
振動により、冷却水のリザーブタンクに繋がるホースのバンドが緩み、そこから冷却水がにじみ出し、気づかずに放置しているとオーバーヒートの原因になってしまう恐れがあります。
これは比較的対処しやすい方なので、日頃から愛車チェックをするクセをつけましょう。
冷却水は、独特の甘い様な臭いがしますので漏れていると臭いで分かる事もあります。
点検などに持って行った時にスタッフの方に教えてもらっておくと良いですよ。
なお、冷却水漏れの原因は他にもあり、エンジンの温度を適正に保つサーモスタットから水漏れする場合や、そのケース部分にある樹脂製のパーツにヒビが入り、水漏れが起こるケースもあるとの事です。
いずれも初期段階で気が付けば部品代と工賃を入れても1万~3万円代で直せる場合が多いです。
サーモスタットハウジング
図のひび割れている部分が樹脂製。こちらは交換で工賃モロモロ込の12500円との事。
フィアットアバルト500について
数あるフィアット500のグレードの中でも、その仕様から素人お断り感満載のスパルタン仕様が『フィアットアバルト500』です。
元々、アバルトというのはレースの世界で成功を収めたカルロ・アバルトの名前に由来します。
1950年代から人気絶頂となり、スポーツカーやレーシングカーで大成功を収めるとアバルトは、『強い』『速い』の代名詞となったのです。
後に、フィアット社と合併し現在に至ります。
日本車で言えば、日産のスカイラインGT-Rや、本田のタイプRシリーズに相当するこのアバルトという名前とその象徴であるサソリのエンブレム。
すべての大衆車に与えられる訳ではなく、選ばれし者しか与えられる事のない名誉の象徴とも言えるでしょう。
フィアットアバルト500のスペック
全長:3655mm
全幅:1625mm
全高:1515mm
車両重量:1110kg
上記のコンパクトな5ナンバーサイズボディに135馬力の1.4Lターボエンジンを搭載し、5速トランスミッションと16インチのアルミホイールで完全武装。
ステアリングに付いているアバルトのエンブレムが眩しいですね。
試乗してみると、そこまでジャジャ馬な感じではなく、洗練されたサラブレッドの様なしなやかな走りでした。
故障に関しては、ドライバーに相当ゆだねる部分があるのではと思います。
きっちりお金をかけてメンテナンスをする事が一番の薬です。
挙げるとすれば、納車時からエンジンチェックランプが点灯するとか、クラッチが弱いなどキリが無い程出てきますが、アバルトに限った事ではありません。
以上、今回は
について紹介しました。
イタ車らしいマイナートラブルは数多く有りますが、オーナーの愛で乗り切れる部分がかなりあるに思います。オーナーの責任は大きいのです。
飾っても可愛いし、乗っている自分も可愛いとかの自己満足だけではこのクルマは養えません。お金がかかるのは当たり前と考えた方が良いです。
壊れない、お金がかからないクルマが良いのであれば日本車が良いでしょう。
楽しい期間は短いかも知れません。手間がかかって良い事なんかほとんど無いことだってあるかも知れません。
でも、一度乗ったらそれこそ一生の思い出に残るクルマになるはずです。