2016年8月25日
いよいよ日産GTR2017年モデル(R35型)が発売されます。
これが最後のマイナーチェンジと言われています。
GTR2017年モデルの価格はいったいいくらなのか?スペックはどう変わったのか?そして発売日はいつなのか?
この気になる部分について紹介していきます。
ですがその前に、日産GTRの「歴史」をまず初めに紹介していきます。
↓お好きなところからご覧ください
日産GTRの歴史
初代GTRは1969年2月「スカイラインGTR」でPGC10型通称「ハコスカ」と呼ばれました。
S20型直列6気筒2Lエンジンを搭載し「レースで勝つ」を目的に開発されました。
開発に開発を重ね、レースだけを考えていたためラジオやヒーター、なんと助手席のシートベルトまでオプション設定だったようです。
そしてこのGTRは、約4年間で52勝、通算成績57勝と大金字塔をうちたてフロントグリルの「GT-R」エンブレムが価値を持った瞬間でした。
ちなみに、この初代GTRは4ドアが先で、2ドアは1年8か月後の1970年10月に発表されたKPGC10型でした。
軽量化やホイールベースのショート化が施されており、50勝以上の勝利を記録したのは、ほとんどがこの2ドアハードトップだったのです。
↓KPGC10型GTR
1973年1月、KPGC110型通称「ケンメリ」と呼ばれた悲劇のGTRが誕生します。
↓KPGC110型GTR
GTRが誕生してから4年、フルモデルチェンジにより誕生したのがこのケンメリです。
これはGTRが世間の注目を浴び、新たな期待を背負う時でした。
しかし悲劇が起こります。1973年、新排ガス規制法が制定されると、ケンメリGTRは巨大な壁にぶつかります。
そして開発陣が断念。
ケンメリGTRは生産数197台、市販車数195台と「幻」の車になってしまいました。
それから16年後の1989年5月、BNR32型スカイラインでGTRは復活を遂げます。
スポーツカーファンだけではなく、車好きが歓喜した瞬間でした。
RB26DETT型2.6Lツインターボエンジンを搭載し、当時自主規制の280馬力を発揮。
革新的なアテーサE-TSのアテーサE+トルクスプリット4WDシステムなどまさにレースに勝つために作られた車でした。
※トルクスプリット4WDとは、車の荷重移動によるバランスの偏りを4WDに伝達し、前後輪のトラクションをコントロールすることでバランスを保つことができます。
当時、コーナーには不向きと言われた4WDがコーナー最強になった瞬間でもあります。
↓BNR32型GTR
当時レース界においてR32型スカイラインGTRは「GTRの敵はGTRだけ」と言われるほど圧倒的でした。
これこそがGTRに課せられた課題であり、宿命なのです。
このDNAは、後の「R33型GTR」「R34型GTR」と引き継がれていきます。
そして2007年12月、スカイラインから独立し「GTR」というブランド名を引っ提げてR35型GTRが誕生することとなります。
どうでしょう?これだけでも歴史を感じれば、GTRに熱い思いがこみ上げてきませんか?
私は書いているだけで熱くなり、胸が締め付けられる思いでいっぱいです。
熱くなったところで本題のR35型のGTR2017年新型モデルの紹介に入っていきます。
日産GTR2017年モデルの価格(値段)は?
2016年8月、ついに国内においてGTR2017年新型モデルが発表されました。
なぜ2017年モデルなのかというと、その名の通り2017年に向けて発表されたモデルだからです。ですが、2016年に先行して販売が開始されます。
↓2016年3月に開催されたニューヨークオートショー
気になるGTR2017年モデルの価格は次の通りです。
GTR ピュアエディション | 996万円 |
GTR プレミアムエディション | 1171万円 |
GTR ブラックエディション | 1187万円 |
GTR トラックエディション | 1370万円 |
GTR ニスモ | 1870万円 |
グレードについては、ピュアエディション・プレミアムエディション・ブラックエディションは一般向け販売のグレードで内装色に違いがあります。
トラックエディションは、日産ワークス・ニスモのボディ剛性と足回りなどを加えたモデルとなっています。
GTRニスモは、日産ワークス・ニスモが手掛けたまさにGTカーレベルの仕様になっているので、価格差も大きいものがあります。
このGTR2017年モデルの価格を見ると驚きますよね。
もともとR35GTRは、発売当初から900万円くらいでしたが、幾度となく進化を遂げながらも急激な価格上昇はありませんでした。
この価格を維持しながら進化をさせてきた日産は、称賛に値するものではないでしょうか。
ちなみにGTRが常にライバル視し続けてきたのが「ポルシェ911ターボ」です。
ポルシェ911ターボの値段が2300万円程ですので、逆に考えるとそれと同等の性能を持ったスーパーカーが半額以下で買えるのですから、コストパフォーマンスに優れている分だけ「GTR2017の値段は安い!」とも思えます。
次の動画は、2016年3月23日に日産公式YouTubeチャンネルに公開されたGTR2017年モデルのプロモーション動画です。
日産GTR2017年モデルの外観の変更点(違い)は?
GTR2017年モデルの外観ですが、2014年モデルからいくつか変更点があります。
そんな中でも特に目に付く部分について検証していきたいと思います。スペックも気になるところではありますが、まずは外観から見ていきましょう。
GTR 2017年モデル
GTR 2014年モデル
バンパーは形状自体が変更されています。
フロントフェンダーから流麗的に前面に張り出しているバンパーサイドが目に入ります。
そのすぐ内側にあるデイライトはダミーダクトの中に収められています。
次はその下にあるリップスポイラー部分。
これも形状が変更されていてよりスポーティになりました。
バンパー開口部の形状も変更され、開口部両サイドを斜めにすることでワイルドな感じにし、空力抵抗を軽減させています。
純正アルミホイールもデザインが変更されました。
GTR2014年モデルでは10本スポークであったのに対し、GTR2017年モデルでは、Y字スポークタイプになりました。
サイドステップは2014年モデルではフラットタイプでしたが、2017年モデルでは中央から前後に向かって張り出した部分を加え、こちらも空力抵抗の軽減が図られたようです。
リヤバンパーに至っては、大きな変更点はありませんが、アンダースポイラーのサイドにあるダクト形状が変更されています。
外観上はそれほど大きな変更があったわけではありませんが、この変更によりさらなるワイルド感を出しつつ、さらなる空力抵抗の低減が図られました。
そしてそれと同時に近代的なかっこよさを手に入れることに成功しています。
日産GTR2017年モデルのスペックは?
GTR2017年新型モデルのスペックはどれくらい変化したのでしょう?
このGTR2017年モデルは、R35GTR最終型ともいわれていますので、GTR2014年モデルと比較しながらスペックと変更点を検証していきたいと思います。
2017年新型モデル | 2014年モデル | |
---|---|---|
全長 | 4710㎜ | 4670㎜ |
全幅 | 1895㎜ | 1895㎜ |
全高 | 1370㎜ | 1370㎜ |
室内長 | 1730㎜ | 1750㎜ |
室内幅 | 1475㎜ | 1475㎜ |
室内高 | 1095㎜ | 1095㎜ |
エンジン形式 | VR38DETT | VR38DETT |
エンジン出力 | 570ps | 550ps |
最大トルク | 65.0kgf-m | 64.5kgf-m |
JC08モード燃費 | 8.8㎞/L | 8.7㎞/L |
駆動方式 | 4WD | |
ステアリングギア | 電子制御式パワーアシスト付ラック&ピニオン | |
サスペンション前 | 独立懸架ダブルウィッシュボーン式 | |
サスペンション後 | 独立懸架マルチリンク式 | |
ブレーキ前 | ベンチレーテッドディスク式 | |
ブレーキ後 | ベンチレーテッドディスク式 | |
トランスミッション | GR6型デュアルクラッチトランスミッション |
外観のサイズについてですが、全長が40㎜程長くなっています。
これはボディ形状の変更があったわけではなく、バンパーのデザイン変更によるものです。
ボディについては基本的に変更がなかったという事になります。
全幅、全高は変更ありません。
室内長は全長とは逆に20㎜短くなっています。
外観とは逆で、内装においては変更点が多々あります。
ダッシュボードは新デザインが採用され、室内雰囲気が変わりました。
↓GTR 2017年モデル
↓GTR 2014年モデル
中央のエアコン吹き出し口は、GTR2017年モデルではセンターコンソール内に収まっており、エアコンコントローラーは吹き出し口の下に設置、その下にドライブモードのスイッチが設置されています。
2014年モデルよりもすっきりとした感じになっています。
センターコンソール上部にマルチモニターが設置されていますが、スイッチ類はモニター脇に移動、デザインも変更されています。
ハンドルのデザインも変更されましたが、シート形状は従来のままです。
しかし、この変更によりGTR2017年モデルは全体的にすっきりし、レーシーなイメージも以前より強くなり、完成度の高いものになりました。
前作まででも素晴らしい作り込みであったにもかかわらず、さらに進化させてくるあたり、日産のGTR開発陣には頭が下がる思いです。
少し逸脱しますが、R32GTRのシートを初めて見たときの衝撃は今でも覚えています。
純正シートでありながら完全にセミバケットシートで、「あれが自分の車についていたら、もっとかっこいいだろうな」と思った人はたくさんいたはずです。
そのシートが進化し、現在のGTRのシートへと継承されました。
※この画像は、R32GTRの純正シートをニスモがレストアしたものです。
エンジン型式は以前と変わらずVR38DETTです。
型式の見方は以下です。
R:GTR専用を意味する
38:排気量3.8L(3800㏄)を意味する
D:DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)を意味する
TT:ツインターボを意味する
このエンジンは現在の日産だけではなく国産トップクラスのエンジンであり、GTR専用となります。
GTR2014年モデルでは550馬力でしたがGTR2017年モデルでは570馬力までアップされています。
これに合わせてトルクも64.5kg/f-mから65.0kg/f-mに引き上げられています。
R32型GTRが280馬力でしたから、これはとてつもない数字だということがよくわかります。
このGTR2017年モデルのエンジンも例外ではなく「匠」と呼ばれるエンジニアたちによって手組でくみ上げられます。
これは制度の高い部品を正確に組上げ、最高のパフォーマンスを演出するためです。
それだけこのGTRには、作り手の熱い思いと魂が込められているということが感じ取れます。
燃費については、現在のエコという現実からみれば逆走しているかもしれませんが、GTR2014年モデルの8.7㎞/Lから8.8㎞/Lへとわずか0.1㎞/Lとはいえ引上げられています。
エンジンパワーとトルクを引き上げながらわずか0.1㎞とはいえ燃費を向上させるということは容易ではありません。その技術には脱帽するばかりです。
また、GTR2017年モデルは、コーナリング性能とハンドリング性能をさらに上げています。
これは昔からの「常勝GTR」に課せられた宿命ともいえます。
ドイツ「ニュルブルクリンク」では、世界各国を代表するスポーツカーがテスト走行を行っています。
GTRはここでも常にトップクラスのタイムをたたき出しており、一般市販車でありながらトップレベルのパフォーマンスを披露してきました。
日産GTR2017年モデルの発売日はいつ?
さて、新型GTR2017年モデルの発売日はいつなんでしょうか?
ネットや紙面上では2016年7月27日販売開始の記事をあちこちで見かけます。
しかし、私の入手したカタログでは2016年8月26日販売開始となっています。
全国一斉なのか地域差があるのか、7月27日なのか8月26日なのか・・・。
いずれにせよ、もう手に入る時期になったことには違いはありませんので、気になるのなら「GTR2017年モデル一見の価値あり!」です。
見てみるだけでも感じるものがあると思いますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう?
日産GTR2017年モデル情報まとめ
初代GTRの発表からおよそ47年。GTRは様々な歓喜と悲劇の歴史を作り出しました。
その歴史は、47年たった今もGTR2017年モデルにも引き継がれています。
スポーツカーでありながらスポーツカースタイルではなくあえて箱型のボディが与えられているのも、丸形2連テールランプが引き継がれているのもその歴史を物語る象徴なのです。
「GTR」この称号は宿命を背負い、歴史を作り出すものに与えられる最高のエンブレムです。
もっともっとGTRの事を知れば、この進化を重ねてきたGTR2017年新型モデルを見たとき、きっと熱いものがこみあげてくることでしょう。
以上、今回は
- 日産GTRの歴史
- 日産GTR2017年モデルの価格(値段)は?
- 日産GTR2017年モデルの外観の変更点(違い)は?
- 日産GTR2017年モデルのスペックは?
- 日産GTR2017年モデルの発売日はいつ?
- 日産GTR2017年モデル情報まとめ
について紹介しました。