そもそもスタッドレスタイヤとはどういうものかをご存知でしょうか?
スタッドレスタイヤとは冬用のタイヤのことで、ゴム質やタイヤ溝形状、ブロックパターンなどが普通タイヤとは大きく違います。
昔は冬用タイヤといえばスパイクタイヤという、スノータイヤのトレッド面に鉄のスタッドが埋め込まれていました。
スパイクタイヤ
銀色の部分がスタッドです。
しかし、このスタッドが削りだす粉塵が「人的被害を起こす」ということで規制がかかりました。
その規制によってスタッド付タイヤの使用範囲が狭まったことから主流になったのが、スタッドレスタイヤです。
※スタッドがあるタイヤ=スパイクタイヤ
スタッドがないタイヤ=スタッドレスタイヤ
今回は、スタッドレスタイヤの寿命年数や交換時期の見分け方に関して紹介していきます。
↓お好きなところからご覧ください
スタッドレスタイヤのメーカー紹介
スタッドレスタイヤで一番重要なのは価格ではなく、信頼度です。
スタッドレスタイヤだけは、安ければいいという判断で購入してしまうと、後々大後悔をしてしまいます。
最近では外国産の激安スタッドレスタイヤなんていうのも、ずいぶん見かけるようになりました。
しかし、外国産のスタッドレスタイヤと比較しても、日本製の国産スタッドレスタイヤは抜群に技術も信頼度も高いのです。
日本のタイヤというのは、スタッドレスタイヤだけでなく普通タイヤも含め、海外においても信頼度が高く、非常に高い評価を得ています。
日本国産のスタッドレスタイヤはどんなものがあるか見てみましょう。
ブリヂストン ブリザックVRX
新開発アクティブ発砲ゴムの気泡・太い水路・親水コーティングにより路面の水膜を除去することで、タイヤを氷路面にしっかり密着させ、格段にグリップ力を高めています。
ヨコハマタイヤ アイスガード5PLUS
進化したスーパー吸水ゴムの採用とゴムの柔らかさを保ち、凍結路面など冬道の様々な路面に効く温度対応技術を採用しています。
ダンロップ ウィンターマックス02
超密着ナノフィットゴムにより凍結路面の細かな凸凹にもゴムが密着し、新開発のタイヤパターンにより氷上性能が高まりました。
トーヨータイヤ オブザーブGARIT GIZ
NEO吸水カーボニックセルと親水性が吸水性をアップ、ナノゲルにより密着性を高め、鬼クルミ殻を配合することでグリップ力を高めています。
ここで紹介したタイヤメーカーとスタッドレスタイヤは、国内外でも非常に信頼度が高いものですので、スタッドレスタイヤ購入の際は一つの目安にしていただければと思います。
また、各メーカーのスタッドレスタイヤの寿命を比較してみても、それほど変わりはないようです。
スタッドレスタイヤの寿命は、距離や速度による使用方法や、使用環境によって大きく左右されます。
スタッドレスタイヤの減りによる寿命について
スタッドレスタイヤはトレッド面が減っているもの、つまり溝が浅くなれば吸水性と排水性が低下し、路面をグリップしにくくなります。
路面をグリップしにくくなると、
- 制動距離が伸びる
- コーナーでの負荷に耐えられない
などの現象を起こし、最悪のケースは事故につながります。
制動距離が延びると停止することができず、交差点への飛び出しや前の車に追突などの事故を起こすことにつながってしまいます。
コーナーでの負荷に耐えられなくなると最悪の場合、反対車線への飛び出しによる正面衝突や路肩から転落などということもあり、非常に危険です。
↓ブリヂストン ブリザックVRXのCM映像です。
スタッドレスタイヤにもスリップサイン(プラットフォーム)という目印がありますが、そこまで減ってしまうとスタッドレスタイヤは寿命です。
スタッドレスタイヤの性能を十分に発揮させるためにも、残りが5分山(50%程度)くらいになったら交換時期と考えてください。
スタッドレスタイヤが残り5分山になるまでの走行距離については、一概に走行距離何kmとはいえません。
というのもスタッドレスタイヤはゴム自体が普通タイヤと比較しても柔らかいため、耐摩耗性には特化していないというのが事実です。
そのため、積雪の量や気温によりタイヤの摩擦抵抗が違うため、スタッドレスタイヤの場合は前述したとおり、使用環境により寿命が大きく左右されてしまうからです。
もちろん、極端に雪が少ない年であれば必然的にアスファルトが出ているわけですから常にタイヤは摩耗してしまい、走る距離が多ければ1シーズンで寿命を迎えることもあります。
雪がなくアスファルトが出ているとスピードも出しがちになってしまいますが、走行速度を上げればさらに摩擦抵抗が高くなりますので、さらに寿命を縮めてしまいます。
スタッドレスタイヤにヒビが!
いざスタッドレスタイヤを装着しようかと思ったら、「サイドウォールにヒビが!」なんていう経験はありませんか?
スタッドレスタイヤだけではなく普通タイヤにもいえることですが、ヒビが入っているということは、ゴムが硬化しているということなのです。
ゴムは一部だけが硬化するということはほとんどありませんので、ヒビを確認した時点でトレッド面も固くなっているということです。
トレッド面のゴムが硬化してしまうと、氷路面にゴムが吸着しなくなりますから、スタッドレスタイヤとしての役目はできなくなります。
また、このヒビは走行時の負荷により増える又は広がる可能性が非常に高く、最悪の場合はタイヤのバースト(破裂)につながりますので、早めの交換が必要です。
スタッドレスタイヤだけではなく普通タイヤにもいえることですが、走行中のバーストは非常に危険です。
ヒビを確認することが交換時期の一つの見分け方となります。
それからヒビの他にも、タイヤサイドにふくらみがある場合はバーストする危険性が高いので、使用しないでください。
ちなみに、へこみは内部構造によるものですから安全上の問題はなく、不良品でもありませんので、安心してお使いください。
スタッドレスタイヤは硬化する
前述ではスタッドレスタイヤにヒビを確認したら硬化していると記述しましたが、ヒビがなくても硬化している可能性は十分に考えられます。
スタッドレスタイヤには、ブロックごとに細かく溝が入っていることが分かると思いますが、実はこのブロックごとの溝が、スタッドレスタイヤの性能に大きく関係しているのです。
この小さい溝が柔らく動くことで氷路面にある水分を吸収し、タイヤ接地面が氷路面に吸着できるようにしているのです。
つまり、この小さい溝が硬くなり水分吸収ができなくなると、タイヤは氷路面に吸着できず、車は滑ってしまいます。
また、この細かい溝はブロックが走行時に動くためについていますが、タイヤが減ることによって動きが小さくなっていきますので、あまり減ってしまうと効果はありません。
見分ける方法は、この小さい溝の部分を手で動かし、新品と比べて固いと感じたり、やっと動くと感じたりするならば、そのスタッドレスタイヤは交換時期ということになります。
スタッドレスタイヤは保管の仕方で硬化を早める?
スタッドレスタイヤの場合、1年で考えると使用する期間よりも保管する期間の方が必然的に長くなります。
ですから、保管の方法には十分に注意しないとスタッドレスタイヤの寿命を縮めることになります。
例えば、屋根もない外に保管しておけば直射日光や気温の変化でゴムの劣化を進行させ、ゴムの硬化を促進させてしまいます。
特にスタッドレスタイヤの夏の保管では、直射日光と高温により著しくゴムを劣化させますので、スタッドレスタイヤの寿命に大きく影響してしまいます。
また、土やコンクリートに直置きすると、地面に接地している部分からタイヤの劣化を早め、ゴムが硬化することになってしまいます。
ということで、スタッドレスタイヤの保管については板やブロックなどを敷き、直接地面に着かないようにし、直射日光を避けて常温で保管するようにしてください。
スタッドレスタイヤの置き方が一ヵ所に負荷がかかる置き方をするとヒビが入ったりしますので、タイヤラックのご使用もおすすめします。
カバー付タイヤラック
スタッドレスタイヤの寿命年数は?
スタッドレスタイヤの寿命年数も気になるところで、1年で交換なのか、10年持つのかなど気になってしまいます。
スタッドレスタイヤの寿命年数は、使用頻度や保管状況で変わってきます。
冬期間も毎日の通勤や買い物など通常通り使うようであれば2年くらい、もって3年くらいと考えておいてください。
2~3年(2~3シーズン)くらい使用すればタイヤも減りますし、ゴムの硬化も見られるようになります。
但し使用頻度が少なく保管状態も良い状態であれば、タイヤの寿命を5年、10年と延ばすことは可能かもしれません。
ちなみに私のスタッドレスタイヤは、今年で4シーズン目になりますが、ほとんど使わないということもあってか、今のところゴムの硬化やヒビは見られません。
私のスタッドレスタイヤの保管状況と使用状況
- 保管場所:物置小屋(床あり)
- 保管方法:タイヤラック使用
- 使用頻度:年(1シーズン)1回~5回くらい?(冬の使用回数)
- タイヤ:ダンロップ ウィンターマックス
↓私の好きなCM(笑)
「トーヨータイヤ OBSERVE GARIT GIZ」
私の場合は本格的に雪が降ってしまうと乗れなくなる車なので、冬場は飾り物になってしまうのですが、このくらいの使用頻度だと「10年も可能!?」かもしれません。
それから、タイヤのローテーションを変えてやるというのも、寿命を延ばす一つの方法ですので、装着時にタイヤの減り具合を確認するといいでしょう。
日常的に使用する場合は、安全面やスタッドレスタイヤの劣化を考えるとやはり平均的に2~3年、長くて4年の寿命といったところではないでしょうか?
正直なところ、交換時期を使用年数で考えることは危険な事です。
年数よりも、スタッドレスタイヤはブレーキング時に制動距離が長くなって来たら交換時期と考えた方がいいようです。
スタッドレスタイヤ寿命、交換時期まとめと冬道アドバイス
では、まとめという事でスタッドレスタイヤについておさらいしておきましょう。
スタッドレスタイヤの寿命の見分け方は、ゴムの硬化やヒビを確認する事で、ゴムの硬化とヒビを確認してしまったら、それはもう交換時期という一つの目安になります。
次に、スタッドレスタイヤトレッド面の溝の残り具合です。
スリップサインに到達したら明らかに交換時期ですが、機能の低下を考えると少し早めに交換時期と考えた方がいいかもしれません。
前述にもありますが、一番は実際のブレーキングの際に、「制動距離が長くなる=止まらない」ということになりますので、制動距離が伸びてきたら交換時期と判断して下さい。
冬道は夏場と比べるととても危険度が高くなりますので、スタッドレスタイヤ購入の際は寿命と価格ではなく、「性能」と「信頼性」で選ぶことをおすすめします。
雪道のこの走り、憧れます。
「Snow Drift in Saroma | TOYO TIRES」
最後に、雪道や氷路面の運転が怖い方にアドバイス。
カウンター(逆ハンドル)の充て方と、ポンピングブレーキをマスターすることで冬道の運転での危険性がかなり減ります。
カウンターは車の横滑りに対応でき、ポンピングブレーキはブレーキを踏みっぱなしにするより、制動距離を抑える効果があります。
(雪道運転〇〇年、凍結路のABSは結構怖いです・・・)
周りに迷惑をかけない場所で実験・練習してみてください。
以上、今回は
について紹介しました。