ドリフト走行というのは、スポーツカー乗りにとってすごくあこがれる技術ですよね。
もともとドリフトのテクニックというのは、カーレースなどでコーナーをできるだけ減速せずにクリアーするテクニックでした。
それがいつの間にか『ドリフト=魅せるテクニック』というのが主流となりました。
基本的にドリフトはFR(後輪駆動)が一番やりやすいものですが、FF(前輪駆動)や4WDでもドリフトをしたいと考える人も多いです。
また、ミッションにおいてもスポーツカーブーム(かなり昔?)の時代は、MT(マニュアル)車がほとんどでしたが、近年はAT(オートマチック)車が多くなりました。
そこで、どうやったらAT車のFFでドリフトができるのか?どうやったら4WDでドリフトができるのかを解説していきます。
↓お好きなところからご覧ください
ドリフトとは?基本原理を紹介
まずはドリフトの基本原理を紹介します。
ドリフトとは、リヤを流した(滑らせた)まま、カウンター(逆ハンドル)をあてながらコーナーをクリアーするテクニックです。
ドリフトをするためにまず知っておきたいことは「オーバーステア」と「アンダーステア」の意味と原理です。
オーバーステアはFR車がコーナーを通過する際、後輪駆動のためリヤが外側に逃げる挙動を起こすことをいいます。
アンダーステアはFF車に多く見られ、前輪駆動のためコーナーを通過する際に加速しすぎるとフロントが内側に入りきらず大回りになることをいいます。
ドリフトをする際は、この「オーバーステア」の原理を利用し、ステアリングコントロールとアクセルコントロールによって車をコントロールすることがドリフトなのです。
ステアリングコントロールとは、カウンター(逆ハンドル)を充てることをいいますが、カウンターとは車が流れている方にハンドルをきり、態勢を維持させることとなります。
ドリフト走行のやり方は?
ドリフトのやり方には、複数の方法が存在しますので、まずは基本的な以下の4種類のドリフトの方法をご紹介します。
- 慣性ドリフト
- ブレーキングドリフト
- シフトロックドリフト
- フェイントドリフト
慣性ドリフト
慣性ドリフトは高速でコーナーに侵入すると車のリヤが外に流れます。
リヤが外側に流れたら、アクセルを抜かずにカウンターを充てます。
その際カウンターを充てた際ハンドルは一定にせず、リヤの流れ具合によってコマメなコントロールをします。
その態勢からコーナー出口(立ち上がり)では、車の向きをコース通りに戻すことでコーナーをクリアーします。
ブレーキングドリフト
ブレーキングドリフトはコーナー進入時にフルブレーキングまたはサイドブレーキをかけることで車をフロント荷重にし、意図的にリヤを滑らせます。
意図的に滑らせたリヤに対してカウンターを充て、アクセルコントロールしながらコーナーをクリアーするテクニックです。
慣性ドリフトとは違い、魅せるドリフトをするときに多く用いられるテクニックです。
シフトロックドリフト
シフトロックドリフトは、高速走行からシフトダウンによるシフトロックから荷重をフロントにかけるテクニックです。
シフトロックによりリヤを流し、ハンドリングとアクセルコントロールで車をコントロールするテクニックです。
フェイントドリフト
フェイントドリフトとは、コーナー進入時に一度ハンドルを外側にきって、外向きになった車を急ハンドルで内側に向かせることでリヤを流すテクニックです。
外側から急激に追側を向かせてテールスライドした車をハンドルコントロールとアクセルコントロールでコーナーをクリアーします。
この4つの方法の違いとしてはコーナー進入時の車の態勢の作り方で、車のコントロール方法はほとんど同じとなります。
ATオートマFFのドリフト走行のやり方は?
次に、ATオートマFFのドリフトのやり方をご説明します。
まず頭に入れておいていただきたいのは、ATオートマFFでのドリフトは超高等テクニックになるということです。
車というのはフロントにエンジンがあるのでフロント荷重になりやすいのですが、FRの場合は後ろから車を押すのでさらにフロント荷重になります。
FFの場合はフロント荷重になっても前が車を引っ張るのでフロントに荷重が移動しきりません。
そのため、コーナー進入時にドリフトの態勢にならず、アンダーステアが発生しやすくなります。
また、ATオートマの場合は、シフトダウンした際にギヤが切り替わるまでロスができます。
したがってATオートマFFの場合は、「Dレンジ」から「2レンジに」にシフトを落としてフェイントを入れるとドリフトに入る態勢を作ることがドリフトのやり方につながります。
ただし、FFの場合はスピードが足りないとなかなか態勢を維持できませんので、十分にスピードに乗せることも重要ですが、スピンする可能性も高くなるので注意が必要です。
FFの場合はFRと違って長い距離をドリフトさせることは非常に困難ですので、徐々に練習していくことが大切です。
また、FFの場合アンダーステアになりやすいので、よりドリフトの技術を上げるためにもタックインを覚えておく必要があります。
アンダーステアからハンドルを内側にきり、フロントをドリフト状態にし、瞬時にアクセルコントロールで車を内側に向かせてコーナーを立ち上がる方法。
4WD車のドリフト走行のやり方は?
4WD車でのドリフトは、FFよりもさらに難しいものになります。
ブレーキングをしても4輪ロックしてしまいますし、何より荷重移動をしたとしてもフロントは引っ張るリヤは押すで、なかなかテールスライドが起きにくいのです。
スカイラインGT-Rだと4WDのトルクスプリット(トルク配分4WD)によって、滑らせたくてもなかなか滑ってくれません。
ドリフトのやり方として意図的に体制を作るのであれば、フェイントモーションからの態勢づくりがベストだと思います。
ただし、態勢を作ったとしても4輪が駆動しているという点でドリフトコントロールが難しいものになりますので注意が必要です。
昔はGT-Rだとトルクスプリットを解除する装置が販売されていたので、装着していた人も少なくないようです。
この4WDドリフトも長い距離の魅せるドリフトを目指すのではなく、コーナーをクリアーする技術と捉えておいたほうが良いでしょう。
ドリフト走行のやり方まとめ
ATオートマFFのドリフトは難易度が高く、4WDになるとさらに高いものになります。
何よりもドリフトするうえで最も大切なことは、その車のサイズなどの車両感覚とその車の挙動と癖を100%といえるくらい知らなくてはいけません。
それを知らないうちにドリフトをしようとすると、事故による大ケガや命にかかわることになるかもしれませんので、しっかりと頭に入れて体で覚えていただきたいと思います。
ドリフトの練習で最適なのは、雪の上です。
雪の上だと必要最低限のスピードで車の挙動が分かりますし、高速でなくてもある程度車が滑りますので態勢がつくりやすいことから最高の練習の場となります。
また、雪上だと簡単に車が滑るのでカウンターの練習も十分にできますので、冬にやることがない方(北国限定?)は、チャレンジしてみてください。
ひとつ面白い情報を。
BMW社が現在開発している自動運転システムは、5000km以上の自動運転に成功しており、スラロームでパイロンをクリアーするなど開発は進行しているようです。
このBMW社が開発している自動運転システムは、なんと自動運転システムでドリフトもこなすようです。
最後になりますが、公道でのドリフトは非常に危険な行為です。
周囲に迷惑をかけたり、他人に危険を及ぼしたりすることになりますので、ドリフトを楽しみたい方は、サーキットや誰もいない広い場所を探してやっていただきたいと思います。
以上、今回は
について紹介しました。