スイッチを入れてもワイパーが動かない、逆にOFFにしたのに動き続ける。雨の日にこうなると前が見えず、とても不安になります。

この記事では、自動車メーカーの取扱説明書(Web版)、JAF、国土交通省に届け出られたリコール資料に書かれている内容だけをもとに、ワイパーが動かない・止まらないときに考えられる原因と、自分で確かめられること・整備工場や販売店に任せることを整理しました(2026年10月16日確認)。

走行中に止まったときは、まず安全な場所に車を停めてから確かめてください。





故障ではなく「モーターの保護機能」で止まっていることがある

ホンダの取扱説明書(N-WGN・ACCORDの2026年版など)には、ワイパーに内蔵モーターの保護機能があると書かれています。

  • ワイパーモーターに大きな負荷がかかった状態が続くと、モーターを守るためにワイパーが一時的に止まることがある
  • 数分たつと、通常どおり使えるようになる

フリード(2023年版)の取扱説明書では、この保護機能を「ブレーカー」と呼んでいて、ブレーカーが働いて一時的に止まり、数分で復帰すると説明しています。

同じ取扱説明書は、ワイパーを動かしているあいだに雪などがたまってワイパーが止まったときの対処も書いています。

  1. 安全な場所に停車する
  2. ワイパースイッチをOFFにし、パワーモードをアクセサリーモードかOFFモードにする
  3. ワイパーが動けるように、じゃまをしている雪などを取り除く

保護機能の有無や呼び方は車種によって違います。自分の車の取扱説明書の「ワイパー/ウォッシャー」のページで確かめてください。

凍結・雪でワイパーが動かないとき

冬の朝に「動かない」と感じる場合は、ゴムがガラスに凍りついていることがあります。ホンダの取扱説明書(N-WGN 2026年版など)は、寒いときは凍結でワイパーブレードがガラスに張りつくことがあり、ワイパー故障の原因になるので、デフロスター(車種によってはフロントガラス熱線も)でガラスを暖めてからワイパーを動かすよう案内しています。

JAFは、凍結や雪への備えとして次のことを挙げています。

  • 目的地に着いたら、積雪に備えてワイパーを立てておく。立て忘れると、ワイパーゴムがフロントガラスに凍りついて、はがすのが大変になることもある
  • 解氷スプレーは、ワイパーがフロントガラスに貼り付いてしまったときにも役立つ
  • 通常のウォッシャー液や水は凍ることがあるので、寒冷地用のウォッシャー液に入れ換える
  • JAFのユーザーテストでは、窓の凍結防止にはガラスにカバーをかけることが最も有効だった

なお、トヨタ(シエンタ)とホンダ(N-WGN 2026年版など)の取扱説明書は、どちらも寒いときはフロントガラスが暖まるまでウォッシャー液を使わないよう注意しています。ガラスの上でウォッシャー液が凍り、視界がさえぎられるおそれがあるためです。

国土交通省に届け出られたリコールの中には、凍結に関係する例もあります。たとえば、凍結などでワイパーの動きが制限された状態でスイッチをONにしたままジャンプスタートをすると、大電流が流れてワイパーモジュールが損傷することがある、というものです。また別の車種では、ウォッシャーノズルが凍った状態でウォッシャーを使うと、ウォッシャーポンプ回路のヒューズが切れることがあるとして届け出られていました。どちらも特定の車種の例で、すべての車に当てはまるわけではありません。

ヒューズが切れていないか確かめる

ヒューズが切れていないか確かめる

凍結や雪がなく、スイッチを入れてもまったく動かない場合は、ヒューズ切れも考えられます。トヨタの取扱説明書(シエンタ)は「ランプがつかないときや電気系統の装置が働かないときは、ヒューズ切れが考えられます」として、ヒューズの点検をすすめています。

取扱説明書に書かれている確かめ方と注意点は次のとおりです。

項目 取扱説明書の案内
作業の前に エンジンスイッチ(パワーモード)をOFFにする(シエンタ・フィット 2026年版)
ヒューズボックスの場所 車種によって違う。シエンタはエンジンルームの運転席側・助手席側と助手席足元にある
交換するヒューズ ヒューズボックスの表示に従い、規定容量のヒューズに交換する。規定容量以外のヒューズや、ヒューズ以外のものは使わない(シエンタ)。規定容量より大きいヒューズに交換すると電気系統を損傷する危険性が高くなる(フィット 2026年版)
交換してもまた切れるとき 販売店で点検を受ける(シエンタ・フィット 2026年版)。ヒューズが切れた原因が電気の過剰な負荷だとわかったときも販売店で点検を受ける(シエンタ)
してはいけないこと ヒューズやヒューズボックスを改造しない(シエンタ)

ホンダのフィット(2026年版)の取扱説明書では、バッテリーの横にあるヒューズが切れていた場合は自分で替えず、販売店に修理を依頼するよう書かれています。どのヒューズを自分で替えてよいかも車種ごとに違うので、必ず自分の車の取扱説明書の「ヒューズの点検・交換」を見てから作業してください。

トヨタの取扱説明書(シエンタ)によると、ヒューズは、バッテリーからの回路に過剰な負荷がかかると、配線が損傷を受ける前に切れるように設計されています。替えてもまた切れるときは、自分で替え続けずに販売店に任せましょう。

国土交通省に届け出られたリコールの中には、ヒューズが切れる原因が車側にあった例もあります。ワイパーを制御するプログラムが不適切なため、特定の操作をしたときにワイパーリレーの接点でアーク放電が起きて過電流が流れ、ヒューズが切れてワイパーが作動しなくなるおそれがある、というものです(特定の車種の例です)。

ヒューズ以外の原因は整備工場・販売店で調べてもらう

ヒューズ以外の原因は整備工場・販売店で調べてもらう

ヒューズが切れていないのに動かない場合は、スイッチ・リレー・モーターなど車側の部品が原因のこともあります。国土交通省に届け出られたリコール資料には、ワイパーが動かなくなるおそれがあるとして、次のような例が載っています(いずれも特定の車種・年式の話です)。

部品 リコール資料に書かれていた内容
ワイパースイッチ (リヤワイパー装着車が対象の届出)接点部にグリスが塗られていないものがあり、使い続けると接点が変形して導通不良になり、ワイパーが作動しなくなるおそれ
リレー 間欠作動用のリレーの耐久性が足りず、間欠モードを頻繁に使うとリレーが固着して、ワイパーが動かなくなるおそれ
ワイパーモーター 防水シール材の塗布不足で雨水などが内部に入って短絡する、または回路の溶接が不適切で導通不良になり、ワイパーが作動しなくなるおそれ

こうした部品は自分で手を入れず、整備工場や販売店に任せる部分です。

自分の車が同じようなリコールの対象になっていないかは、国土交通省の「自動車安全情報ポータルサイト」のリコール情報検索で調べられます。なお、リコール資料には「リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります」という注意書きもあります。

ワイパーが止まらないとき

「止まらない」と感じても、取扱説明書に書かれた正常な動きであることがあります。

こんなとき 取扱説明書の説明
オートワイパー(AUTO)で、雪などがたまって動き続ける ワイパー作動中に雪などがたまると、雨滴を検知していなくてもワイパーが作動し続けることがある。レバーをOFFにすると止められる(ホンダ ZR-V 2023年版)
AUTOのまま窓を拭いていたら急に動いた 雨滴センサー上部のガラス面を手で触ったり布で拭いたりすると、ワイパーが作動することがある。フロントガラスの手入れをするときはレバーを必ずOFFにする(ホンダ ACCORD 2026年版など)
ウォッシャー液を出したあと、しばらく動く レバーを1秒以上引くとワイパーが作動し、離すと数回作動して止まる(ホンダ N-WGN 2026年版など)
バックに入れたらリヤワイパーが動いた フロントワイパー作動中にセレクトレバーをRに入れると、リヤワイパーが作動する「リバース連動モード」がある(ホンダ N-WGN 2026年版など)
走行中にエンジンを緊急停止した エンジンを止めたときにワイパーが作動していた場合は、高速作動でワイパーの作動が続く。車両停止後にエンジンスイッチをONにすると通常作動に戻る(トヨタ シエンタ)

機能の有無は車種によって違います。どれにも当てはまらず、スイッチをOFFにしても止まらない場合は、安全な場所に停めて販売店や整備工場に相談してください。

自分で確かめること・任せることのまとめ

自分で確かめること・任せることのまとめ
自分で確かめられること 整備工場・販売店に任せること
  • 雪や氷がワイパーのじゃまをしていないか
  • 数分待って動くようになるか(保護機能のある車)
  • オートワイパーや連動機能など、取扱説明書の正常な動きに当てはまらないか
  • 取扱説明書の手順に沿ったヒューズの点検
  • リコール対象になっていないか
  • ヒューズを替えてもまた切れる
  • 取扱説明書が「販売店へ」としているヒューズが切れている
  • ヒューズは切れていないのに動かない(スイッチ・リレー・モーターなど)
  • OFFにしても止まらない

ワイパーは動くけれどスジやビビりが出る、ゴムが傷んでいるという場合は、故障ではなくゴムやブレードの交換で直ることがあります。交換の目安や方法は「ワイパーゴムの交換時期(目安)や交換方法は?料金や工賃はいくら?」にまとめています。

この記事で確認した情報の出典

  • ホンダ 取扱説明書(Web版)「ワイパー/ウォッシャー」N-WGN 2026・ACCORD 2026・FREED 2023・ZR-V 2023、「ヒューズの点検と交換」FIT 2026
  • トヨタ 取扱説明書(Web版)シエンタ「ワイパー&ウォッシャー(フロント)」「ヒューズの点検・交換」
  • JAF「雪道を走る前に準備しておきたいものとは?」、JAFユーザーテスト「寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!」
  • 国土交通省 リコール届出資料(ワイパースイッチ・リレー・制御プログラム(ヒューズ切れ)・ワイパーモーター・ワイパーモジュール・ウォッシャーポンプ回路の各例)、自動車安全情報ポータルサイト