スノーワイパー(雪用ワイパー)とは?違い・付け替え時期・雪の日は立てる?

雪の季節が近づくと、「雪用ワイパー」「スノーワイパー」「ウインターブレード」といった名前の製品が目に入ります。トヨタの用品ページも、冬にはDJウインターブレードを勧めています。呼び方はいろいろありますが、どれも雪や寒さの中で使うことを前提にしたワイパーブレードです。

この記事では、雪用ワイパーが普通の(雨用の)ワイパーとどう違うのか、主なメーカーにどんな製品があるのか、いつ付け替えて、付けっぱなしにしてよいのか、そして雪の日にワイパーを立てるべきかを、メーカーの製品ページ・取扱説明書とJAFの説明に沿って整理します(2026年10月17日確認)。

雪用ワイパー(スノーワイパー・ウインターブレード)とは

雪用ワイパーは、メーカーによって呼び方が違います。部品メーカーのNWB・PIAAは「雪用ワイパー」、ボッシュは「スノーワイパーブレード」、トヨタの販売用品は「DJウインターブレード」、スバルの純正アクセサリーは「ウィンターブレード」、トヨタ・日産の取扱説明書は「寒冷地用ワイパーブレード」と書いています。

トヨタは、新車時に付いているのは夏用ワイパーで、夏用ワイパーは寒さで凍り付いたり、雪の重さに耐えられず拭き残しが出やすくなると説明しています。そのうえで、冬には雪の重さに耐えられる耐久性と、-40℃でも柔軟性を保つ特殊ゴムを備えたDJウインターブレードを勧めています(-40℃はこの製品の説明です)。

スバルは純正のウィンターブレードを「ワイパーの凍結を防ぎ、専用コーティングで降雪時の作動もスムーズ」と説明し、雪国に住む人のほか、ウィンタースポーツをする人や霜の降りる場所に駐車する人にも勧めています。

普通のワイパーとの構造の違い

トヨタの取扱説明書(シエンタ・クラウン)は、降雪期に使う寒冷地用ワイパーブレードについて「雪が付着するのを防ぐために金属部分をゴムで覆ってあります」と説明しています。トヨタのアフターサービスのページは、通常のブレードとウィンターブレードを次のように比べています。

通常のワイパーブレード ウィンターブレード
払拭性 ガラス面への追従性が高く雨の払拭力に優れるが、降雪時は雪や寒さで拭き残しが出る可能性がある 通常の機能に加え、ガラスに付いた雪をかき分けて視界を保つ(凍結や雪詰まりを防ぐ特殊合成ゴムのラバーフード付き)
積雪時の視界 低下 良好
ブレード 寒冷地では凍結しやすく、錆びやすい 凍結や錆が発生しにくい
ラバー(ゴム) 雪や氷が付着し、固着しやすい 特殊素材で固着しにくい

出典:トヨタ自動車「ワイパー/ブレード」(アフターサービス)

部品メーカーの製品にも、同じように骨組みを覆う作りが見られます。ソフト99の「ガラコワイパー パワー撥水雪用」は、雪だまりや凍結を防ぐためにフレーム部をフードでカバーし、重く湿った雪を押しのける高剛性設計のフレームと、耐寒性のある雪用シリコーンラバーを使っていると説明しています。PIAAの「ファインスノー」は、ワイパー全体をゴムカバーで覆って雪・雨の侵入を防ぎ、凍結を防止する作りです。

雨用より長さが短いことがある

雪用に替えるときに戸惑いやすいのが長さです。NWBは、雪用ワイパーは構造の違いから雨用と同じ拭きが得られない場合があるため、実車で拭き具合を確かめ、雨用より短いサイズを適用にしていることがあると説明しています。PIAAも、雪用は雨用と構造が違うので車種ごとに払拭性能テストをして基準を満たすサイズを適用にしており、雨用より短い設定の車種があるとしています。ボッシュの雪用ワイパーの適合表(2020年の追補版)にも、「純正サイズより短くなります」と書かれた車種や「適合品なし」の車種が載っています。

雪用を買うときは、今付いているワイパーの長さで選ばず、各メーカーの適合検索や適合表で品番と長さを確かめてください。

高速走行では拭き取りにくくなることがある

トヨタの取扱説明書は、寒冷地用ワイパーブレードは高速走行時に通常のワイパーブレードよりガラスを拭き取りにくくなることがあり、その場合は速度を落とすよう書いています。日産の取扱説明書(ノート E12)も、高速走行時は通常のブレードより拭き取りにくくなるので速度を落とすよう注意しています。

一方で、部品メーカーの中には走行中の浮き上がりを抑える形を打ち出している製品もあります。ソフト99はパワー撥水雪用のエアロ構造で高速走行や強風・吹雪でも浮き上がりを抑えるとし、NWBの製品一覧には浮き上がりを抑えるエアロフィン付きの雪用ワイパーが載っています。どれだけ効くかは製品ごとのメーカーの説明の範囲で、雪用ワイパー全般に当てはまる話ではありません。

主なメーカーの雪用ワイパー

主なメーカーの雪用ワイパー

各メーカーの公式サイトに載っている雪用ワイパーのシリーズ名と、メーカー自身の説明をまとめます。品番・長さは車種ごとに違うので、買う前に適合検索で確かめてください。

メーカー 雪用のシリーズ(公式サイトの表記) メーカーの説明(要点)
NWB グラファイトデザイン雪用ワイパー/エアロスリム対応雪用ワイパー/グラファイト雪用ワイパー/強力撥水コートエアロスリム対応雪用ワイパー/強力撥水コートデザイン雪用ワイパー(公式PDF「NWB雪用ワイパー 一覧」の表記) 同じ一覧に、ステンレスフレーム採用のタイプや、浮き上がりを抑えるエアロフィン付きのタイプが載っている。強力撥水コートのタイプは5分以上の乾拭き作動が必要
PIAA フラットスノー シリコート/シリコート スノー/輸入車対応 シリコート スノー/スーパーグラファイト スノー/ファインスノー/シリコート スノー 替えゴム・スーパーグラファイト スノー 替えゴム 「撥水タイプ」「グラファイトタイプ」などに分けて掲載。雪用でも替えゴムだけを交換できるシリーズがある
ボッシュ スノーワイパーブレード(SG) Uクリップタイプ用のグラファイトコート製品。SG28〜SG70の品番が並ぶ
ソフト99 ガラコワイパー パワー撥水雪用 氷点下でも約3分間の作動でガラス全面に撥水被膜をつくり、雪・氷が張りつきにくくなる。フレーム部はフードでカバー。使い方は、ガラス面が濡れていない状態で約3分間作動させる。気温10℃以下では撥水効果が出るまで時間がかかることがあり、その場合は効果が出るまで作動させる

このほか、トヨタ・スバルのように自動車メーカーが車種ごとの純正品(ウインターブレード)を用意していることもあります。寒冷地用ワイパーブレードについて、日産の取扱説明書(ノート E12)はお車に合った日産純正部品を使うよう、トヨタの取扱説明書はトヨタ販売店で各車指定のブレードを求めるよう案内しています。

▶ 動画で確認:ソフト99「ガラコワイパー パワー撥水雪用」

ソフト99の公式動画です。同社の雪用ワイパー「ガラコワイパー パワー撥水雪用」について、撥水コーティングの仕組みや、走行中の浮き上がりを抑えるエアロ構造を紹介しています。

出典:ソフト99「ガラコワイパー パワー撥水雪用」(YouTube・約3分)

撥水タイプとグラファイトタイプ

PIAAは雪用ワイパーを「撥水タイプ」「グラファイトタイプ」などに分けて掲載しています。撥水タイプのシリコートスノーは、ワイパーを動かすだけでガラスに撥水コーティングを施し、雪・氷をつきにくくして凍りつきを緩和するもの、スーパーグラファイトスノーは、グラファイトコーティングゴムでスムーズに拭き、氷・雪・泥はねを拭き取ると説明しています。

撥水タイプは、取り付けたあとの使い方に注意があります。NWBは強力撥水コートのワイパーについて、ガラスの汚れを落として乾いた状態で5分以上作動させるよう案内し、気温が低いときはデフロスターでガラスを温めてから乾拭き作動させるよう書いています。ソフト99は、パワー撥水雪用は標準のワイパーと高さや形が違うため、ウォッシャー液がアームなどに当たってガラスに届きにくくなる場合があるとしています。撥水ワイパーの仕組みはガラコワイパーの種類と違いでも紹介しています。

いつ付け替える?付けっぱなしでいい?

今回確認したメーカーの説明には、「何月に替える」という日付の指定はありませんでした。どの時期を想定しているかは、各社の言い方から読み取ることになります。

  • トヨタ:取扱説明書は「降雪期に使用する寒冷地用ワイパーブレード」と書き、アフターサービスのページは「冬には」ウインターブレードを勧めている
  • 日産:取扱説明書(ノート E12)は「降雪期以外は通常ブレードに戻してください」と書いている
  • スバル:雪国に住む人のほか、ウィンタースポーツをする人や霜の降りる場所に駐車する人にも勧めている

付けっぱなしにしてよいかをはっきり書いているのは、今回確認した中では日産の取扱説明書の「降雪期以外は通常ブレードに戻す」だけでした。NWB・PIAAのよくある質問、PIAAの雪用ワイパーの製品ページ、ソフト99の商品ページ、ボッシュの品番一覧には、通年で使ってよいかの記述はありませんでした。迷うときは、自分の車の取扱説明書と、使う製品の説明書を確かめてください。

NWBの公式動画(Uクリップ編)は、雪用ワイパーも同じ手順で交換できると説明しています。ソフト99の公式動画は、パワー撥水雪用について交換作業も簡単として、取り外しから取り付けまでの手順を実演しています。取付け方式ごとの外し方・付け方はワイパーの外し方・付け方にまとめています。

▶ 動画で確認:ワイパー交換方法(Uクリップ編・NWB)

NWBの公式動画です。Uクリップ式のワイパーアームでのブレードの外し方・付け方を実演しており、動画の終盤で雪用ワイパーも同じ手順で交換できると説明しています。

出典:NWB「【NWB】ワイパー交換方法(Uクリップ編)」(YouTube・約3分)

雪の日はワイパーを立てる?立てない?

駐車中にワイパーを立てるかどうかは、案内している内容が場面によって分かれます。

出典 説明の内容
JAF(クルマ何でも質問箱) 目的地に着いたら、積雪に備えてワイパーを立てておく。立て忘れると雪かきがしにくく、ゴムがガラスに凍りついてはがすのが大変になることもある
JAF(ユーザーテスト) 寒冷地で駐車するときは、ゴムが凍結して窓に張り付くことがあるので、ワイパーを立てておく
トヨタ(防災のページ) 寝かせたままだとガラスに凍り付いたり、雪の重みで曲がったりすることがある。しばらく駐車するときは立てる
日産(フェアレディZの取扱説明書) 雪が降りそうなときや降雪時は、ワイパーアームを起こしておく。ワイパーに雪が積もり、破損するおそれがある
トヨタ(よくあるご質問・フルコンシールドワイパー用) 豪雪の場合は、積もった雪の重さでワイパーが折れる場合があるので、ワイパーを立てない

JAF・日産(フェアレディZ)は雪や凍結に備えて立てるよう案内しています。トヨタの中でも、防災のページ(大雪のときの駐車)は「立てる」、フルコンシールドワイパー用のよくあるご質問は「豪雪の場合は立てない」と、案内が分かれています。

ボンネットに隠れるワイパーは立て方が違う

ワイパーがボンネットの下に隠れている車(フルコンシールドワイパー)は、そのままでは立てられないことがあります。トヨタのクラウンの取扱説明書は、積雪や凍結のおそれがあるときは、ボンネット下のワイパーを「サービスポジション」に切りかえてから立てるよう書いています。シエンタの取扱説明書では、エンジンスイッチをOFFにしてから約45秒以内に、ワイパースイッチを一時作動の位置で約2秒以上保持すると(図ではレバーを上に上げている)、サービスポジションに移動すると説明しています。

トヨタは、フルコンシールドワイパーは車種によって設定の有無・仕様・操作方法が違い、引き起こしたり立てたりできないタイプもあるとしています。自分の車の取扱説明書で確かめてください。

出発前に戻すとき・凍りついたとき

JAFは、発進前の雪かきの手順の中で、フロントガラスの雪と霜を払ってからワイパーを戻すよう案内しています。

ゴムがガラスに凍りついているときについて、今回確認したトヨタ(シエンタ・クラウン)、日産(フェアレディZ)、ソフト99(パワー撥水雪用)の説明は、いずれも無理に動かさないよう注意しています。日産のフェアレディZの取扱説明書は凍結でゴムがガラスに張り付いているときは作動させないよう(ワイパーの損傷やモーター故障のおそれ)、トヨタはぬるま湯をかけるなどして氷を解かし、すぐに水分をふき取るよう書いています。ソフト99も、ガラス面が凍結しているときの作動はゴムを傷める原因になるとして、デフロスターでガラスを温めるか解氷剤を使ってから作動させるよう注意しています。凍結でワイパーが動かないときの確かめ方はワイパーが動かない・止まらない原因で紹介しています。

この記事で確認した情報の出典

  • トヨタ自動車「ワイパー/ブレード」(アフターサービス・ウィンターブレードについて)
  • トヨタ 取扱説明書(Web版)シエンタ「寒冷時の運転」「ワイパー&ウォッシャー(フロント)」、クラウン「寒冷時の運転」
  • トヨタ「大雪のときの駐車の注意点」(トヨタの防災)、トヨタ よくあるご質問「ワイパーを立てる方法を教えてください。(フルコンシールドワイパー用)」
  • 日産 取扱説明書 ノート(E12)「寒冷地用ワイパーブレードの装着」、フェアレディZ「ワイパー・ウォッシャーを使うときの注意事項」
  • SUBARU フォレスター アクセサリー「ウィンターブレード」
  • NWB 製品一覧(PDF「NWB雪用ワイパー 一覧」)・お問い合わせ(よくあるお問い合わせ)・公式YouTube「ワイパー交換方法(Uクリップ編)」
  • PIAA「雪用ワイパー」製品ページ、「ワイパー よくある質問」
  • ボッシュ「スノーワイパーブレード(SG)」品番一覧、雪用ワイパー適合情報追補版(2020年)
  • ソフト99「ガラコワイパー パワー撥水雪用」商品情報(使用方法・使用上の注意)・公式YouTube「ガラコワイパー パワー撥水雪用」
  • JAF「雪道を走る前に準備しておきたいものとは?」、JAFユーザーテスト「寒冷地での駐車時は窓やドアの凍結に注意!」
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