車検が終わると、新しい車検証と一緒に四角いシールが渡されます。「この数字はどう読むの?」「どこに貼ればいいの?」「古いシールはどうする?」と迷う人は多いはずです。

この記事では、車検シール(正式名は「検査標章」)の見方、2023年7月に変わった貼る位置、貼り替えの手順、なくしたり破れたりしたときの再交付の手続きを、国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイト、軽自動車検査協会、各地の運輸局の案内と、道路運送車両法・同法施行規則の条文で確かめてまとめました(2026年10月17日確認)。





車検シールの正式名は「検査標章」

車検シールやステッカーと呼ばれているものは、法令では「検査標章」といいます。国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトでは、次のように説明されています。

  • 新規検査や継続検査(車検)などで保安基準に適合すると、自動車検査証(車検証)と一緒に交付される
  • 車検証の有効期間が満了する時期を示すもの
  • 前面ガラスの内側に、前方から見やすいように貼り付けて表示するよう定められている

根拠は道路運送車両法第66条です。第1項で、自動車は車検証を備え付け、検査標章を表示しなければ運行してはならないと定めています。第5項では、車検証が効力を失ったときなどは、その検査標章を表示してはならないとしています。

車検シールの見方|表は「年月」、裏は「年月日」

検査標章は表と裏で書いてあることが違います。前面ガラスに貼ると、表は車の外(前方)から、裏は車内から見える向きになります。

面 見える場所 書いてあること
表面 車の外(前方) 車検証の有効期間が満了する「年月」。大きな数字が月、小さな数字が年(令和)
裏面 車内(運転席側) 「自動車検査証の有効期間の満了する日」として「年・月・日」

ナンバープレート用(二輪車・トレーラーなど)は表面のみの印字で、裏面はありません(国土交通省ポータルサイト)。

表面の読み方|小さい数字の位置で年を見分ける

国土交通省の見本では、大きく「7」、右下に小さく「5」と印刷されていて、読み方は「令和5年7月」です。年を表す小さな数字は、年ごとに置く位置を変えて見分けられるようにしてあります。

ポータルサイトの説明では、令和5年を右下、令和6年を左下に置き、以降は左上、右上、右下の順で繰り返します。この順番を当てはめると、次のようになります。

満了する年 小さい数字の位置
令和5年(2023年) 右下
令和6年(2024年) 左下
令和7年(2025年) 左上
令和8年(2026年) 右上
令和9年(2027年) 右下
令和10年(2028年) 左下
令和11年(2029年) 左上

表面に書いてあるのは「年月」までで、「日」はありません。施行規則第37条の3第2項でも、満了する時期は年及び月で表示すると定められています。日にちまで知りたいときは、前面ガラスに貼るタイプなら車内から裏面を、ナンバープレート用なら車検証で確かめます。

裏面の読み方|満了する日まで書いてある

裏面には「自動車検査証の有効期間の満了する日」という文字と、年・月・日が印刷されています。見本では「5年7月1日」となっています。

なお、国土交通省の資料では、有効期間満了日の印字は爪や鋭い物でこすると削れる場合があるので、不必要に触れないよう注意を呼びかけています。

軽自動車は旧デザインのシールでも効力は同じ

検査標章のデザインはこれまでに何度か変わっています。軽自動車検査協会は2024年(令和6年)1月4日以降の申請から新しいデザインの検査標章を交付していて、旧デザインで貼り付けられている検査標章も、デザイン変更後に効力は変わらないと案内しています。

普通車などは2017年(平成29年)1月にデザインが変わりました。このときの長野運輸支局のチラシでは、現在貼付されている検査標章は自動車検査証の有効期間が満了するまでは引き続き有効と案内されていました。

車検シールを貼る位置|2023年7月3日から運転席側の上部へ

車検シールを貼る位置|2023年7月3日から運転席側の上部へ

国土交通省は、無車検運行の防止対策として、車検ステッカーの表示位置を「前方から見やすい位置」から「前方かつ運転者席から見やすい位置」に変えました。2023年(令和5年)7月3日からの変更です。

2023年7月3日から それまで(長野運輸支局の2017年の案内)
基本の位置 運転者席側の上部で、車両中心から可能な限り遠い位置 車室内のルームミラー(後写鏡)がある車は、その前方の前面ガラスの上部
例外など 上の位置だと運転者の視野を妨げる場合は、視野を妨げない、前方かつ運転者席から見やすい位置 前面ガラスの上部が着色されていて外から確認できない場合は、確認できる位置まで下にずらす。その他の自動車は運転者席から最も遠い前面ガラスの上部

国土交通省の2016年12月の報道発表でも、検査標章は「フロントガラスの中央上部に貼り付けている」ものとして書かれていました。

右ハンドル車なら、運転席側(右側)の上部で、車両中心からできるだけ離れた位置です。国土交通省のチラシのイラストでも、運転席側上部の端に近いところに描かれています。

軽自動車も同じ位置

軽自動車検査協会が出している貼り合わせ方法の資料にも、同じく「運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」と例外の書き方で、貼る位置が示されています。普通車と軽自動車で貼る位置の考え方は同じです。

前面ガラスがない車はナンバープレートの左上

道路運送車両法施行規則第37条の3では、運転者室や前面ガラスのない自動車は、後面に付けたナンバープレート(自動車登録番号標・車両番号標)の左上部に、見やすいように貼り付けると定めています。二輪車やトレーラーなどがこれにあたり、検査標章の台紙にもナンバープレート用の貼り合わせ方が印刷されています。

軽自動車検査協会の資料では、ナンバープレート用について「ナンバープレートの左上部に貼付してください。(白い小板ナンバーは除く)」と書かれています。自分の車が当てはまるか分からないときは、軽自動車検査協会や運輸支局に確認してください。

すでに貼ってあるシールはどうする?

国土交通省のチラシは「令和5年7月以降、以下の位置に貼り付けていただけますようお願いします」という書き方で、すでに真ん中に貼ってあるシールを貼り直す必要があるかどうかは書かれていません。気になる場合は、管轄の運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)に確かめてください。

なお、シールをはがして貼り直そうとして破れたり、はがしたときに識別できなくなったりした場合は、後で紹介する再交付の手続きになります。

新しい車検シールの貼り替え手順

新しい車検シールの貼り替え手順

自分で車検(ユーザー車検)を受けたときなど、新しい検査標章を自分で貼る場合の流れです。

手順1. 台紙の裏面を見てシールを貼り合わせる

今の検査標章は、文字が印刷された透明シールと、デザインが印刷された青シールの2枚を、台紙の上で貼り合わせてから前面ガラスに貼る仕組みです。貼り合わせ方は台紙の裏面に印刷されています。

国土交通省の資料では、台紙は「運輸支局等用」と「記録事務代行用」の2種類があり、貼り合わせ方が少し違います。

台紙 前面ガラス用の貼り合わせ方(要点)
運輸支局等用(2024年6月17日から) 青シールの右半分をミシン目Aまではがして山折り→ミシン目Bを谷折りして青シールを透明シールの上に貼り合わせる→青シールの左半分をはがし、台紙を引っ張る→合体したシールを台紙からはがし、前面ガラスの内側に貼る
記録事務代行用 「貼り合わせ部」があり、先に透明シールを貼り合わせ部の内側の枠に、次に青シールを外側の枠に貼り合わせる→合体したシールを前面ガラスの所定の位置に貼る

国土交通省の資料では、軽自動車検査協会で交付される検査標章も運輸支局等用と同じとされています(軽自動車は2024年1月4日の申請から新デザイン)。

記録事務代行用の手順は、国土交通省のYouTubeチャンネルの動画でも解説されています。動画では、台紙を強く握ってシールを押し出すと台紙が破けてシールに付着する場合があると注意したうえで、台紙はゆっくりはがす手順で説明しています。

▶ 動画で確認:検査標章の貼り合わせ手順(国土交通省)

国土交通省の公式動画です。記録事務代行用の台紙で、透明シールと青シールを貼り合わせる手順を見られます。

出典:国土交通省 MLIT channel「【フロントガラス用】検査標章貼り合わせ手順」(YouTube)

手順2. 決められた位置に貼り、古いシールははがす

貼り合わせたシールを、前の章で紹介した位置(運転者席側の上部で、車両中心から可能な限り遠い位置)に、前面ガラスの内側から貼ります。

国土交通省のポータルサイトのユーザー車検の案内では、新しいステッカーを受け取ったら内容を確認してフロントガラスに貼り付け、旧ステッカーは剥がすよう書かれています。

古いシールのはがし方

国土交通省や軽自動車検査協会の案内には、前面ガラスに貼った古い検査標章のはがし方までは書かれていません。参考として、カー用品メーカーのソフト99は、車のステッカーのはがし方として次の方法を紹介しています。

  • ドライヤーで温める:粘着面が柔らかくなり、はがしやすくなる
  • スクレイパー(薄いヘラ状の刃)を使う:削るようにはがすため、ガラスや塗装を傷つけるおそれがあり、慎重に作業する
  • ステッカーはがし液を使う:のりを溶かす溶剤が浸透してはがしやすくなる。使い方を誤ると跡が残るので、取扱説明書の方法を確認する

なくした・破れた・汚れたときは再交付を受ける

検査標章を紛失したり、破れたりしたときは、再交付の手続きができます。札幌運輸支局の案内では、「間違ってはがしてしまった」「洗車中に破いちゃった」「子供がいたずらして」「紛失した」などの場合は、速やかに再交付の手続きをするよう呼びかけています。

再交付を受けられる場合

道路運送車両法施行規則第41条の2では、再交付を受けられる場合を次のように定めています。

  • 検査標章が滅失した(なくした)、き損した(破れた)、識別が困難になった(汚れや色あせで読めない)とき
  • 検査標章を貼った前面ガラスを使えなくなったとき(ガラスの交換など)
  • 検査標章を貼ったナンバープレートを表示できなくなったとき(引き続き運行する場合に限る)
  • そのほか、再交付を受ける正当な理由があると認められるとき

普通車と軽自動車の窓口・必要書類・手数料

普通車など 軽自動車
窓口 最寄りの運輸支局または自動車検査登録事務所 最寄りの軽自動車検査協会の事務所・支所・分室
申請書 OCRシート第3号様式(窓口で配付。印刷して使うこともできる) 検査標章再交付申請書(軽第3号様式。窓口のほか協会のサイトからダウンロードできる)
車検証 自動車検査証 自動車検査証の原本(コピー不可)
手数料 400円(手数料納付書に自動車検査登録印紙を貼る) 1件につき400円
その他 委任状の要否や持ち物は運輸支局で案内が少し違うため、管轄の運輸支局のページで確認(関東運輸局は、申請書に使用者の記名があれば委任状不要)。手元に残っている検査標章は持参(札幌運輸支局・東北運輸局の案内) 使用者以外が手続きする場合は申請依頼書。破れた検査標章を提出できる場合は提出する

普通車の内容は関東運輸局の案内と、国土交通省の登録・検査手数料一覧表(令和8年4月1日現在)によります。申請書の「申請又は請求の事由」欄には、再交付を受ける理由(例:紛失のため)を書きます。山形運輸支局のように、再発行の必要書類と手数料(400円)を自分のページで案内している運輸支局もあるので、出かける前に管轄の運輸支局のページも見ておくと安心です。

軽自動車検査協会は、書類は業務受付時間内に提出する必要があるとしています。2024年1月4日以降の再交付申請では、新しいデザインの検査標章が交付されます。

ディーラーなどの車検で先に貼られる「保安基準適合標章」

ディーラーや民間車検場(指定自動車整備事業者)で車検を受けると、新しい車検証と検査標章が届く前に「保安基準適合標章」を前面に表示することがあります。これは検査標章とは別のものです。

  • 指定自動車整備事業者が点検・整備をして、自動車検査員が保安基準に適合すると証明したとき、請求により交付される(道路運送車両法第94条の5第1項)
  • 有効期間は、検査をした日から15日間(指定自動車整備事業規則第9条)
  • 有効な保安基準適合標章を表示している間は、車検証の備え付けと検査標章の表示を定めた第66条第1項は適用されない(同法第94条の5第11項)
  • 運行中は、車の前面に有効期間と自動車登録番号が見やすいように表示する(施行規則第37条の4)

新しい車検証と検査標章を受け取ったら、検査標章を決められた位置に貼り、古い検査標章をはがします。

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